GEMINI MASTER | LESSON 07
第7回:画像・動画の制作
― POP・バナー・短尺動画を、内製する ―
パソコンが得意でない方でも、上から順に進めるだけで終わるように作りました。所要時間の目安は合計15分です。
💡 最初にこれだけ
AIで画像を作るときのコツは、「かっこいい画像を作って」と言わないことです。かっこよさは人によって違うので、まとまりません。代わりに「誰に、何をしてほしくて、どこに出すのか」を伝えてください。目的が決まれば、良し悪しの判断もできるようになります。
※画像・動画の生成は、変化がとくに速い領域です。モデル名や使える機能は数か月で変わります。この記事は2026年8月時点の情報をもとにしていますが、考え方の部分だけ持ち帰っていただければ、どの世代でも通用します。
なぜ「素材がある会社」が、圧倒的に強いのか
生成AIの時代に価値が上がったのは、実はあなたが持っている写真です。
POINT 01
ゼロから作った絵は、どこかで見たことがある
AIが何もないところから作る画像は、誰が作っても似た雰囲気になります。よそと差がつきません。一方、あなたの現場写真、実際の商品、実際のスタッフ——これは世界に1つです。それを整えるほうが、はるかに強い。ここが今回の核心です。
POINT 02
「実物と違う」は、時短より高くつく
AIで作った盛りすぎの商品画像を広告に使えば、景品表示法の問題になり得ます。実在しない人物を「お客様の声」として載せれば、信用を失います。作れるようになるほど、線引きが重要になる。だからこの回はSTEP5に3分を割いています。
失敗しないための、たった2つのルール
RULE 01
1発で完成を狙わない。3案出して選ぶ
画像は言葉より、見てから判断するほうが速い。「3パターン作って」と頼み、並べて選び、選んだものを直す。この進め方が、結局いちばん短時間で終わります。最初から完璧な指示を書こうとしないでください。
RULE 02
事実と違うものは、作らない・使わない
盛った商品写真、実在しない人物の推薦、他社の商標が写り込んだ画像。これは技術の問題ではなく、経営判断の問題です。社内で使ってよい範囲を先に決めてから、量産に入ってください。
この記事のゴール:作り方にも「3段階」がある
全部を今日やる必要はありません。まずレベル1、慣れたらレベル2。レベル3は仕組みにする段階です。
LEVEL 1 / 今日から
言葉から画像を作る
指示の5点セットを埋めるだけ。たたき台づくりはこれで足ります。
STEP 1・2 で解説
LEVEL 2 / Geminiの本命
手持ちの写真を活かす
背景差し替え、不要物の除去、トーンの統一。ここで"うちらしさ"が出ます。
STEP 3・4 で解説
LEVEL 3 / 仕組みにする
媒体別に量産する
1枚を4媒体に展開。ルールを決めて、担当者に渡せる状態にします。
STEP 5・6 で解説
STEP1
PURPOSE / 所要2分
何のための1枚かを、先に決める
ここを飛ばすと、いつまでも「なんとなく違う」が続きます。決めるのは3つだけ。紙に書く必要もありません、頭の中で1分です。
決める3つ
1
見る人「30代の子育て中の女性」「未経験で転職を考える20代」
2
してほしい行動来店・応募・問い合わせ・保存・シェア
3
出す場所Instagram・店頭POP・チラシ・求人サイト・LINE
媒体で変わること
| 出す場所 | 形 | 文字量 | いちばん大事なこと |
| Instagram投稿 | 正方形/縦長 | 少なめ | 1枚目で止まるか |
| 店頭POP | 縦(A4・A5) | 短い言葉を大きく | 2mから読めるか |
| チラシ | A4 | 多い | 情報の順番 |
| 求人サイト | 横長 | 中くらい | 働く人の顔が見えるか |
| 短尺動画 | 縦(9:16) | 最小 | 最初の2秒 |
うごく君のひとこと「かっこいい画像」を目指すと、永遠に終わらないよ。「見た人が来店したくなるか」だけを基準にすると、判断が一瞬でつく。目的は、判断のものさしでもあるんだ。
STEP2
PROMPT / 所要3分
伝わる指示の、5点セット
画像の指示は、文章の指示とコツが違います。目に見えるものを、目に見える言葉で書いてください。この5点が入っていれば十分です。
画像指示の5点
1
何が写っているか(被写体)「湯気の立つ焼き立てのパン」。動詞や状態まで入れると、ぐっと具体的になります。
2
どこから見た絵か(構図)真上から/目線の高さ/斜め45度/寄り/引き。ここを指定しないと毎回バラバラになります。
3
光の当たり方「朝の自然光」「夕方の暖かい光」「白い背景に均一な照明」。写真の印象は9割これで決まります。
4
雰囲気と色味「清潔感」「にぎやか」「落ち着いた和の色」。ブランドの色があれば指定します。
5
形と文字縦横比(正方形/9:16など)と、入れる文字。文字は短いほど正確に出ます。
📋 画像を作らせるテンプレ
〔Instagram投稿〕用の画像を3パターン作ってください。
【被写体】〔炭火で焼かれ、脂が落ちて煙が上がる焼肉〕
【構図】〔斜め45度から、料理に寄って〕
【光】〔店内の暖色の照明。手前が明るく、奥はやわらかくぼかす〕
【雰囲気】〔賑やかだが清潔感がある。家族連れにも入りやすい印象〕
【形と文字】〔正方形。文字は入れない〕
3パターンは、それぞれ構図を変えてください。
✕ もったいない指示
「おいしそうな焼肉の画像を、かっこよく」
→ どこかで見たような、無難な1枚になる
◎ 効く指示
「炭火で脂が落ちて煙が上がる瞬間。斜め45度・寄り。店内の暖色照明で手前が明るく、奥はぼかす。正方形」
→ 使える1枚に近づく
⚠️ 画像の中の文字は、まだ苦手分野です
日本語の文字を画像の中に入れると、
崩れたり、意味の違う字になったりします。長い文章はとくに苦手です。確実なのは、
文字を入れずに画像だけ作り、文字はあとから別のツールで載せる方法。どうしても入れるなら、短い単語だけにして、必ず目視で確認してください。
うごく君のひとこと5点の中でいちばん効くのは【光】だよ。同じ被写体でも、光を変えるだけで別物になる。迷ったら「朝の自然光」か「夕方の暖かい光」から試してみて。
STEP3
PHOTO / 所要3分 ★Gemini の本命
手持ちの写真を、素材として使う
ここがこの記事の山場です。ゼロから作った画像は、どこかで見たような絵になります。でもあなたが撮った写真は、世界に1枚だけ。それを整えるほうが、速くて、強くて、しかも実物と一致します。
写真を渡してできること
🧹 余計な物を消す
🖼️ 背景を差し替える
💡 明るさ・色味を整える
✂️ 媒体に合わせて切り出す
🔗 複数の写真を合成する
🎨 トーンを他の画像とそろえる
🔍 画質を上げる
📋 手持ち写真を整えるテンプレ
この写真を、〔店頭POP〕用に整えてください。
・〔背景に写っている段ボールとコード〕を自然に消す
・〔商品〕の色や形は変えないでください(実物と違ってはいけません)
・明るさを上げ、〔清潔感のある〕印象に
・〔縦A4〕の比率で切り出す
・仕上がりを3パターン出してください
※商品そのものの見た目を盛ることはしないでください。
1枚から4媒体へ。元が実物だから、盛りすぎの心配もありません。
写真を撮るときの3つのコツ
- 明るい場所で、影を作らない:暗い写真は、あとから直しても限界があります
- 余白を多めに撮る:媒体ごとに切り出すので、周りに余裕があると使い回せます
- 同じ条件で複数枚:あとでトーンをそろえやすく、選択肢も増えます
⚠️ 商品そのものは、加工しないでください
背景を消す、明るさを整えるのはかまいません。しかし
商品の色・大きさ・盛りつけ量を実物と変えるのは別問題です。飲食なら「写真と全然違う」というクチコミに直結し、広告なら景品表示法の問題になり得ます。テンプレの最後の1行は、消さないでください。
うごく君のひとことこれからは「写真を撮っておく」ことが資産になるよ。現場、商品、働く人。撮っておけば、あとからいくらでも使える。今日から現場でスマホを1回多く構えてみて。
2026年5月のGoogle I/Oで、会話で映像を作って直せる動画生成モデル(Gemini Omni系)が発表されました。写真1枚から、数秒の動きをつける——このくらいなら、もう特別なスキルは要りません。
中小企業で現実的に使える動画
- 商品の寄り・回り込み:静止画に、ゆっくりしたカメラの動きをつけるだけ
- 店内の雰囲気カット:SNSの最初の2秒を作る短いクリップ
- 求人の冒頭:現場の様子を数秒つなぐだけで、伝わり方が変わります
- 説明のイメージ映像:工程や使い方を、言葉だけより早く伝える
📋 写真から動画を作るテンプレ
この写真をもとに、〔5秒程度〕の動画を作ってください。
【動き】〔手前から奥へ、ゆっくり寄っていく〕
【変えないもの】〔商品の形・色・配置〕は動かさないでください
【雰囲気】〔落ち着いた、食欲をそそる〕
【形】〔縦9:16。SNSの短尺用〕
【文字・音】〔入れない〕
派手な動きは不要です。自然に見えることを優先してください。
⚠️ 動画は、コストと時間がかかります
動画の生成は、画像よりも
処理が重く、利用回数の上限にも当たりやすい領域です。プランによって使える範囲が大きく変わります。「まず画像で3案作り、いちばん良かった1枚だけ動画にする」——この進め方が、費用対効果でいちばん確実です。
うごく君のひとこと動画って「凝ったものを作ろう」とすると挫折するんだ。写真がゆっくり動くだけで十分。SNSでは、止まっている画像より圧倒的に目に留まるからね。
STEP5
RIGHTS / 所要3分 ★必読
権利と表示の、越えてはいけない線
この3分が、この回でいちばん価値のある部分です。作れるようになるほど、事故のリスクも上がります。知らずに越えると、時短どころではない損失になります。
押さえるべき5つの論点
1商用利用できるか
多くのプランで生成物の商用利用は可能とされていますが、条件はプランと利用規約によって異なります。広告や販売物に使う前に、必ず最新の利用規約と、自分の契約プランを確認してください。
2AI生成であることの表示
生成画像には、目に見えない電子透かし(SynthID等)が入る仕組みがあります。媒体によってはAI生成物の表示が求められる場合もあるため、出稿先のルールを確認してください。
3実物と違う表現(景表法)
実際より著しく良く見せる広告表示は、景品表示法上の問題になり得ます。盛った商品画像・実在しないお客様の声・根拠のない「No.1」表記は使わないでください。
4人物の顔(肖像権)
実在する人の写真を素材にするなら、本人の同意が必要です。スタッフの写真も同じ。退職後の扱いまで含めて、書面で残しておくのが安全です。
5他社の商標・キャラクター
背景に他社ロゴが写り込んでいないか。有名キャラクターに似た絵になっていないか。「〜風」の指定は、権利侵害に近づく方向だと覚えておいてください。
6誤解を生む使い方
実在しない施設・実在しない受賞歴・実在しない在庫。事実と異なるものを作らせないこと。技術の問題ではなく、経営判断の問題です。
📋 社内ルールの雛形(3行)
【当社のAI画像・動画 利用ルール】
1. 商品・サービスの実物と異なる表現は作らない・使わない
2. 実在する人物(スタッフ・お客様)の写真を使う場合は、事前に本人の同意を得る
3. 社外に出す前に、〔責任者〕が実物と照らして確認する
※他社のロゴ・キャラクター・「〜風」の指定は使用しない
※広告に使う場合は、景品表示法の観点で表現を確認する
⚠️ この記事は、法的助言ではありません
広告表示・著作権・肖像権の判断は、具体的な事情によって変わります。
重要な広告や、金額の大きい施策に使う場合は、必ず専門家に確認してください。この記事は、確認すべき論点を洗い出すためのものです。
うごく君のひとこと難しく考えすぎなくて大丈夫。「実物と違うものは作らない」「人の顔は許可を取る」——この2つを守っていれば、ほとんどの事故は防げるよ。上の3行を社内に貼っておこう。
STEP6
ROUTINE / 所要1分
1枚を、媒体別に展開する
最後の1分です。良い1枚ができたら、そこから4媒体に展開してしまいましょう。作り直すより、はるかに速く、しかもトーンがそろいます。
📋 1枚を4媒体に展開するテンプレ
この画像をもとに、次の4つの形を作ってください。
1. Instagram用:正方形。文字なし
2. 店頭POP用:縦A4。〔短いキャッチ〕を大きく(2mから読める大きさ)
3. チラシ用:A4。〔価格・期間・場所〕を入れる余白を確保
4. 短尺動画用:縦9:16に切り出し
※4つとも、色味と雰囲気をそろえてください
※文字が崩れていないか、私が確認できるよう、入れた文字を最後に一覧にしてください
残しておくもの
- 効いた指示文:ドキュメントか、Gem(第12回)に保存。次回は3秒で済みます
- ブランドの決めごと:使う色、文字の雰囲気、避ける表現。毎回同じ指定になります
- 元の写真:ドライブに整理して置いておく。素材が資産になります
うごく君のひとこと最後の「入れた文字を一覧にして」を忘れずに。画像の中の日本語は崩れることがあるから、リストで確認できると見落としが減るよ。
結局、どのやり方を選べばいい?
迷ったときの早見表です。手元に素材があるかどうかで決まります。
| やりたいこと | やり方 | 強み | 注意点 |
| 実物を見せたい | 手持ち写真を整える | 嘘がない・唯一性がある | 商品自体は加工しない |
| まだ無いものを見せたい | 言葉から生成 | 速い・試せる | 実物と誤解されない配慮 |
| トーンをそろえたい | 参考画像を渡す | シリーズ感が出る | 他社の作品を渡さない |
| 動きをつけたい | 静止画から動画へ | SNSで目に留まる | コスト・回数上限に注意 |
| 文字を大きく入れたい | 画像+別ツールで文字入れ | 崩れない・修正が楽 | 画像内の日本語は苦手 |
費用対効果を「時間とお金」で見える化する
この回は、時間だけでなく外注費が直接減ります。中小企業の現場でよく見る目安です(内容により変動します)。
| よくある制作物 | これまで | 内製した場合 | 月あたり |
| SNS投稿画像(月20枚) | 1枚30分 | 1枚5分 | ▲8.3時間 |
| 店頭POP(月4枚) | 1枚60分 | 1枚10分 | ▲3.3時間 |
| チラシのたたき台(月1本) | 外注3日+数万円 | 30分 | 日数と外注費 |
| 商品写真の背景処理(月15枚) | 1枚15分 | 1枚2分 | ▲3.3時間 |
| 求人用のイメージ画像(月2枚) | 外注または諦める | 15分 | 機会損失の解消 |
📐 かんたんな損益分岐の出し方
合計 約15時間/月
の削減+
外注費
月数万円の圧縮=
シリーズ中
回収がいちばん速い回
ただし本当の価値は、金額よりも「試せる回数が増える」ことです。外注では3日と数万円かかるため1案しか試せませんが、内製なら10案試せます。当たりを引く確率が上がる——ここが最大の効果です。
⚠️ 全部を内製にする必要はありません
会社の顔になるロゴ、長く使う看板、大きな予算をかける広告。
これらはプロに任せたほうが、結果的に安く済みます。内製が向くのは、
数が多くて、鮮度が命で、外注するほどではないもの。この線引きを社内で決めてください。
プロが見ている、初心者がやりがちな8つの落とし穴
研修の現場で、実際によく見る順に並べました。心当たりがあるものから直してください。
1️⃣「かっこよく」で頼む
- 基準が無いので、永遠に終わらない
- 直し方:見る人・行動・出す場所を先に決める
2️⃣手持ちの写真を使っていない
- ゼロから作ると、どこかで見た絵になる
- 直し方:まず自分の写真から。実物が最強
3️⃣商品を「盛って」しまう
- クチコミにも、法令にも跳ね返る
- 直し方:商品自体は加工しない、と条件に書く
4️⃣画像の中に長い日本語を入れる
- 崩れる・意味の違う字になる
- 直し方:文字は別ツールで。入れるなら短く
5️⃣人物の同意を取っていない
- スタッフの写真も肖像権の対象
- 直し方:書面で同意。退職後の扱いまで
6️⃣「〇〇風」で指定する
- 権利侵害に近づく方向の指示
- 直し方:作風ではなく、光や構図で指定する
7️⃣1案で決めてしまう
- 比べないと良し悪しが分からない
- 直し方:必ず3案。並べて選ぶ
8️⃣効いた指示文を捨てている
- 毎回ゼロから書き直すことに
- 直し方:STEP6。ドキュメント1本でいい
画像・動画づくりが効く、局面別の使いどころ
まずこの中から、今月出す予定のものを1つ選んで試してみてください。
🏗️建設・現場で
- 施工事例の写真を整えて、実績ページへ
- 作業風景から、求人用のイメージ画像
- 工程の説明図を、施主向けに分かりやすく
- 安全掲示物・現場の注意喚起ポスター
🏪店舗・飲食で
- 料理写真の背景を整えて、SNS投稿に
- 季節メニューの店頭POP
- 多言語のメニュー説明カード
- 短尺動画で、店内の雰囲気を数秒で
🧑💼事務・経営で
- 提案資料に入れる、図解やイメージ
- 採用ページのビジュアル一式
- 社内掲示物・マニュアルの挿絵
- 展示会・イベント用のパネル案
ここに「自立型AI」が加わると、何が変わるか
Gemini Spark のような自律型エージェントが加わると、「今月の新メニューの写真を撮ってドライブに入れておけば、SNS用・POP用・チラシ用が翌朝そろっている」——そんな運用が現実になります。ただしこの領域は、自動化の中でも人の確認が最も重要です。
🔭 いちばん大事な前提
画像・動画は、間違ったものがそのまま社外に出てしまう領域です。文字化け、実物との差、権利上の問題。しかも一度出したものは、取り消せません。だから自動化するのは「作るところまで」。公開の前には、必ず人が現物を見る。この一線を、社内ルールに明記してください。
✅ 任せてよい範囲 向いている
- 撮った写真の、背景処理・明るさ調整
- 1枚から、媒体別サイズへの展開
- 複数パターンの案出し
- 過去の投稿とトーンをそろえる作業
- 素材のドライブ内整理・タグ付け
⛔ 任せてはいけない範囲 要注意
- 確認なしの自動投稿・自動掲載
- 商品・価格・キャンペーン内容の表現
- 人物が写る画像の生成・加工
- 広告表示に関わる文言の作成
- 他社の素材やロゴが写り込む処理
うごく君のひとこと「作るまで自動、出すのは人」。第4回のメールと同じ考え方だね。取り消せないものの手前で、必ず人が立つ。これが自動化の鉄則だよ。
つまずいたときのチェックリスト
思った通りの画像にならない
指示が抽象的な可能性が高いです。5点セット(被写体・構図・光・雰囲気・形)のうち、抜けている項目を足してください。とくに光の指定が効きます。それでも合わない場合は、近いイメージの画像を渡して「この光の感じで」と伝えるのがいちばん速い方法です(他社の作品は使わないでください)。
画像の中の日本語が、変な字になる
画像生成が苦手とする部分です。対策は3つ。①文字を入れずに画像だけ作り、あとから別のツール(スライドや画像編集アプリ)で文字を載せる ②入れるなら短い単語だけにする ③出力後に必ず目視で確認する。店頭POPやチラシは、①がおすすめです。修正もしやすくなります。
人物の顔が、不自然になる
人物描写は、上位モデルほど精度が上がる傾向があります(プランによって使えるモデルが異なります)。ただし、そもそも実在しない人物を「スタッフ」「お客様」として使うのは避けてください。人が写る画像は、実際の社員や顧客の写真を、同意を得たうえで使うのが安全です。
回数の上限に、すぐ当たってしまう
画像・動画の生成は処理が重く、プランごとに利用回数の上限があります。とくに高品質モデルや動画は消費が大きくなります。対策は、①まず軽いモードで数を試し、②良かった1枚だけ高品質で仕上げる、③動画は本当に必要なものだけ。「試す」と「仕上げる」を分けるのがコツです。
商用利用してよいか、判断がつかない
多くのプランで生成物の商用利用は可能とされていますが、条件はプランと利用規約によって異なり、更新もされます。広告・販売物に使う前に、必ず最新の利用規約とご自身の契約プランを確認してください。金額の大きい施策では、専門家への確認をおすすめします。
安全に、かしこく使うために
1実物と違うものは作らない
商品の色・量・大きさは加工しない。実在しない受賞歴や施設も作らせない。クチコミと法令の両方に跳ね返ります。
2人の顔には同意を
スタッフもお客様も、肖像権の対象です。使用範囲と期間、退職後の扱いまで含めて、書面で残してください。
3他社の素材を渡さない
参考画像として他社の広告やキャラクターを渡すのは避けてください。「〜風」の指定も同じ方向のリスクがあります。
4出す前に、人が現物を見る
文字化け、権利、実物との差。公開後には取り消せません。責任者が確認してから出す運用にしてください。
よくある質問
無料プランでも作れますか?
基本的な画像生成は無料でも利用できます。ただし、高品質なモデル・人物の描写・動画生成などは、プランによって使える範囲や回数が異なります。まず無料で試し、上限に当たる頻度を見てから判断するのが合理的です。制限内容は頻繁に変わるため、最新の公式情報をご確認ください。
デザインの知識がなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。ただし「良し悪しを判断する目」だけは必要になります。判断基準は難しくありません。「見る人が、してほしい行動を取りたくなるか」の一点です。センスではなく、目的との一致で判断してください。
プロのデザイナーは、もう要らなくなりますか?
いいえ。むしろ役割が変わります。数が多くて鮮度が命のもの(SNS、季節POP)は内製が向きます。一方、会社の顔になるロゴ、長く使う看板、大きな予算をかける広告は、プロに任せたほうが結果的に安く済みます。内製で作った案を持ち込むと、打ち合わせ自体も速くなります。
作った画像を、他社に真似されませんか?
生成画像の著作権の扱いは、制作の経緯によって判断が分かれる領域です。他社に真似されたくない要素があるなら、実際の写真・実際の商品・実際のスタッフを使うほうが、事実として差がつきます。これも「手持ち素材が強い」理由の1つです。
研修として社内に導入する場合、助成金は使えますか?
人材開発支援助成金など、要件を満たせば活用を検討できる制度があります。ただし対象コース・訓練時間・申請時期などの要件は毎年更新されるため、必ず最新の公募要領と、管轄の労働局へのご確認をお願いします。UGOKU AIでは、要件の整理からご相談いただけます。
理解度チェック(3問・1分)
読んだだけだと、たいてい3日で忘れます。3問だけ答えて、記憶に固定してから閉じてください。
🧠 3問クイズ
選ぶだけ。すぐに答えと解説が出ます。
1中小企業がAIで販促物を作るとき、いちばん強い素材はどれ?
正解:自社で撮った写真。ゼロから作った画像は誰が作っても似た雰囲気になり、差がつきません。あなたの写真は世界に1枚。しかも実物と一致するので、盛りすぎの心配もありません。
2手持ちの商品写真を整えるとき、やってはいけないのはどれ?
正解:実物より盛ること。背景処理や明るさ調整は問題ありませんが、商品そのものを実物と変えるのは別問題です。クチコミにも景品表示法にも跳ね返ります。指示文に「商品自体は加工しない」を必ず入れてください。
3画像づくりを自動化するとき、人が必ず担うべき工程は?
正解:公開前の確認。文字化け、実物との差、権利の問題。しかも一度出したものは取り消せません。「作るまで自動、出すのは人」——第4回のメールとまったく同じ鉄則です。
このシリーズの進み方(全15回+番外編)
1回あたり10〜15分、上から順に積み上がる設計です。整える→頼む→読ませる→書かせる→調べる→作る→任せる→広げるの順で進みます。
| 回 | テーマ | この回で手に入るもの | 時間 |
| 第1回 | Geminiの基礎 | Googleとつながったワークスペース | 15分 |
| 第2回 | 伝わる頼み方 | 材料を名指しするプロンプトの型 | 10分 |
| 第3回 | ドライブ横断の資料分析 | 探さずに、まとめて要点化する | 15分 |
| 第4回 | Gmail連携のメール術 | 受信トレイを離れずに返信を終える | 10分 |
| 第5回 | Deep Research | 出典つき調査レポートと、裏取りの手順 | 15分 |
| 第6回 | スプレッドシート分析 | 関数を書かずに集計・グラフ化 | 10分 |
| 第7回 | 画像・動画の制作(この記事) | POP・バナー・短尺動画の内製化 | 15分 |
| 第8回 | 会議の準備と議事録 | カレンダー連携と、録音→決定事項 | 10分 |
| 第9回 | タスク自動化 | 定型処理を書かせて消す | 15分 |
| 第10回 | Canvas | 会話ではなく“編集画面”で仕上げる | 10分 |
| 第11回 | Gemini Notebook | 自社資料だけで答える社内辞書 | 15分 |
| 第12回 | Gemの量産 | 役割ごとのAI担当者を並べる | 10分 |
| 第13回 | Workspace展開 | チーム全員の標準にする設定と権限 | 15分 |
| 第14回 | 高度なプロンプト | 自分で考えさせる指示の組み立て | 10分 |
| 第15回 | フルワークフロー | 1〜14をつないだ完全AI自動化システム | 15分 |
| 番外編 | 総括/セキュリティ | 情報漏洩・コンプライアンス・社内規程の型 | 15分 |
合計 約190分(+番外編15分)。第7回は外注費が直接減る回です。効果が金額で見えるので、社内で予算を通すときの実績づくりにも向いています。
COMPLETE
最後まで読んでくれて、ありがとう。
上のチェックを埋めていくと、進み具合がここに出ます。全部でなくて大丈夫。1つでも実際にやった人から、確実に変わっていきます。
0 / 6 ステップ完了
🎓 第7回の宿題
この記事を閉じる前に、スマホの中の写真を1枚選んで、SNS用に整えてみてください。それだけで第7回は合格です。あわせて、STEP5の社内ルール3行だけは決めておいてください。次の第8回では、「会議の準備と議事録を、まるごと自動化する」 使い方を扱います(所要10分)。