残り 10
Gemini実践シリーズ 第14回 | 所要10分

指示を出すのを、やめる。
考える型を渡す。

第2回で覚えたのは「伝える型」でした。今回は「考えさせる型」です。答えを先に求めるのではなく、段取りを言わせ、自分で批判させ、採点させる。それだけで、出てくるものの質が変わります。

案内役はこの子、うごく君。つまずきやすいポイントを、先回りして教えます。
🏁 結論から言います

この10分を終えると、AIは
「作業者」から「考える相手」に変わります。

読むだけでは変わりません。でも、この記事の型を1回使うだけで、次のような差が出ます。

BEFORE / 今のあなた
  • それっぽいが、浅い答えしか返ってこない
  • 長い文章が出てきてから、方向違いに気づく
  • 都合のいい意見ばかりが集まる
  • 「もっと良くして」で往復し続ける
  • 大事な判断には、結局使えていない
AFTER / 10分後のあなた
  • 抜けていた論点を、先に指摘してくれる
  • 走り出す前に、段取りで方向を確認できる
  • 反対意見と弱点を、自分から出してくる
  • 採点させて、1回で狙いどおりに直る
  • 会議前の壁打ち相手として使える
📌 この回の位置づけ:第2回が「上手な頼み方」なら、今回は「考えさせる設計」です。ただしすべての業務に使う必要はありません。時間もかかります。判断が絡む重要な場面だけに使ってください。使いどころの見極めも、この記事で扱います。
うごく君より

おかえりなさい、うごく君です。第13回で会社の土台ができましたね。今回は個人の技術に戻ります。テーマは「AIに考えさせる」。難しそうに聞こえるけど、やることは人に相談するときと同じなんだ。この記事を上から10分やり切ると、次の状態になります。

  • 答えの前に段取りを言わせることができる
  • 役割を分けて、自分で批判させられる
  • 良い例・悪い例で基準を教えられる
  • 採点させて直させるループが回せる
  • 反証と前提を検証させられる
  • 効いた型をGemに昇格させられる
30秒でわかる

「考えさせる」とは、
3つを分けることです。

人が良い仕事をするときも、同じ順番を踏んでいます。

🗺️

1. 段取り
= どう進めるか

いきなり書き始めさせない。先に方針を言わせるだけで、大きな手戻りが消えます。

✍️

2. 作成
= 実際に作る

ここは従来どおり。段取りが決まっていれば、質は自然に上がります。

🔍

3. 検証
= 自分で疑う

ここが今回の肝。作った本人に批判させると、抜けが驚くほど見つかります。

GEMINI MASTER | LESSON 14

第14回:高度なプロンプト
― 自分で考えさせる、指示の組み立て ―

パソコンが得意でない方でも、上から順に進めるだけで終わるように作りました。所要時間の目安は合計10分です。

💡 最初にこれだけ

高度なプロンプトの正体は、「AIに、一人で会議をさせること」です。企画する人、反対する人、まとめる人。人間の会議で質が上がる理由と、まったく同じ仕組みを、1つの指示の中に作ります。難しい呪文は、一切要りません。

なぜ「浅い答え」が返ってくるのか

性能の問題ではなく、聞き方の構造の問題です。

POINT 01

AIは「聞かれたことに、素直に答える」

「良い企画を考えて」と聞けば、もっともらしい企画が返ってきます。弱点や反対意見は、聞かれていないので出てきません。人間の部下でも同じです。「問題点も言って」と言わなければ、言いにくいことは出てこない。それだけの話です。

POINT 02

いきなり書かせると、途中で直せない

長い文章が生成されてから「方向が違う」と気づくのが、いちばん時間の無駄です。先に段取りを3行で言わせるだけで、方向確認が10秒で済みます。人に仕事を頼むときも、走り出す前に方針を聞くのと同じです。

失敗しないための、たった2つのルール

RULE 01

使いどころを絞る

これらの型は時間がかかります。日常のメール返信や簡単な要約に使うと、かえって遅くなる。「間違えると影響が大きい」「判断が絡む」場面だけに使ってください。価格改定、新規事業、大きな契約、採用方針——こういう場面です。

RULE 02

AIの自己評価を、鵜呑みにしない

採点させると精度は上がりますが、AIが自分で気づけない誤りもあります。とくに事実関係と数字は、自己評価では見つかりません。「考えの抜け」はAIに、「事実の誤り」は人が——この分担で使ってください。第5回の裏取りは、ここでも必要です。

この記事のゴール:考えさせ方にも「3段階」がある

全部を今日やる必要はありません。まずレベル1、慣れたらレベル2。レベル3は仕組みにする段階です。

LEVEL 1 / 今日から

段取りを言わせる

1行足すだけ。手戻りが激減します。これだけでも効果があります。

STEP 1 で解説
LEVEL 2 / この回の本命

自分で批判させる

役割を分け、採点させ、直させる。ここで別物になります。

STEP 2〜4 で解説
LEVEL 3 / 仕組みにする

型をGemに載せる

考えさせる設計を、誰でも呼び出せる状態に。第12回とつながります。

STEP 5・6 で解説
STEP1
PLAN / 所要2分
答えの前に、段取りを言わせる

今日いちばん簡単で、いちばん効果がある型です。1行足すだけで、手戻りが激減します。

📋 段取りを先に言わせる一言
〔依頼内容〕

書き始める前に、次の3点を先に教えてください。
1. どういう構成で書くつもりか(見出しレベルで)
2. 何を根拠にするか
3. あなたが判断に迷っている点、私に確認したいこと
私が「進めて」と答えてから、本文を書いてください。
いきなり書かせると 長文が出る 全部読む 方向が違うと気づく やり直し 段取りを先に聞くと 構成を3行で提示 10秒で読める ここで方向を修正 一言で済む 本文は1回で決まる
人に仕事を頼むときと同じ。走り出す前に、方針を聞くだけです。
うごく君のひとこと3番の「判断に迷っている点」が実は宝なんだ。ここに、あなたが伝え忘れていた前提が全部出てくる。AIの質問は、あなたの説明不足の診断書だと思って読んでみて。
STEP2
ROLE / 所要2分 ★この回の本命
役割を分けて、自分で批判させる

ここがこの記事の山場です。1つのAIに、複数の役を演じさせます。企画する人と、反対する人を分けるだけ。人間の会議で質が上がる理由と、まったく同じ仕組みです。

① 提案役 案を3つ出す 良い点を説明 前向きに考える ② 批判役 弱点を各3つ 失敗する条件 容赦なく指摘 ③ まとめ役 両方を踏まえて 推奨案と条件 判断材料になる 1つの指示の中で、一人会議をさせる
批判役を入れるかどうかで、出てくるものがまったく変わります。
📋 一人会議テンプレ(そのままコピー)
次のテーマについて、3つの役を順番に演じて検討してください。
【テーマ】〔来期、◯◯を値上げすべきか〕
【前提】〔群馬県/従業員20名/建設業/主要取引先は3社〕

■ ①提案役として
実行案を3つ挙げ、それぞれの狙いと期待できる効果を書いてください。

■ ②批判役として
①の各案について、弱点・見落とし・失敗する条件を3つずつ挙げてください。
遠慮はいりません。とくに〔取引先の反応・現場の負担〕の観点から厳しく。

■ ③まとめ役として
①②を踏まえて、当社が取るべき案を1つ選び、理由を書いてください。
あわせて、その案を実行する前に必ず確認すべきことを3つ挙げてください。
✕ 普通に聞いた場合
「値上げの進め方を教えて」
→ 一般的な手順が並ぶ。リスクや反発の話は出てこない
◎ 一人会議をさせた場合
提案3案 → 各案の弱点9個 → 推奨案と確認事項
会議に持っていける資料になる
うごく君のひとこと批判役に「遠慮はいりません」と書くのがコツ。これが無いと、当たり障りのない指摘しか出てこないんだ。あと、誰の立場から批判するかを指定するとさらに鋭くなるよ。「取引先の目線で」とかね。
STEP3
EXAMPLE / 所要2分
良い例・悪い例で、基準を教える

「もっと自社らしく」を言葉で説明するのは、ほぼ不可能です。実例を見せるほうが、10倍速く正確に伝わります。第12回でGemに実例を添えたのと、同じ原理です。

見せ方は「良い例+悪い例+理由」の3点セット

良い例だけでは、なぜ良いのかが伝わりません。悪い例と、その差の理由を添えると、初めて基準として機能します。

📋 実例で基準を教えるテンプレ
これから〔求人原稿〕を作ってもらいます。
その前に、当社の基準をお伝えします。

【良い例】
〔過去にうまくいった原稿を貼り付け〕

【良くない例】
〔反応が悪かった原稿を貼り付け〕

【この2つの違い】
〔良い例は1日の流れが具体的。良くない例は形容詞ばかり〕

まず、私が挙げた「違い」以外に、この2つの差として
あなたが気づいた点を3つ挙げてください。
そのうえで、同じ基準で新しい原稿を作ってください。
⚠️ 実例に、そのまま使える情報を含めない
社外に見せられない実例(顧客名、原価、個人情報)を貼らないでください。伏せ字にするか、一般化してから使ってください。第13回で決めたルールが、ここでも効いてきます。
うごく君のひとことあなたが気づいた差を3つ」を先に聞くのがポイント。これをやると、自分でも言語化できていなかった基準が出てくるんだ。社内のノウハウが、そこで初めて言葉になる。
STEP4
SCORE / 所要2分
採点させて、直させる

第2回でも触れた型の、完全版です。採点基準を先に決めておくのが違い。基準が無い採点は、ただの感想になります。

手順
  1. 依頼と同時に、採点基準を渡す(4〜5項目・各20〜25点)
  2. 成果物を作らせる
  3. その基準で自己採点させ、減点理由を挙げさせる
  4. 9割以上になるまで直させる。直した箇所も報告させる
📋 採点基準つきの依頼テンプレ
〔依頼内容〕

【採点基準】(合計100点)
・〔読み手が次の行動を取れるか〕……25点
・〔根拠となる数字に出典があるか〕……25点
・〔当社の状況に即しているか〕……25点
・〔A4一枚に収まっているか〕……25点

作成後、上の基準で自己採点し、減点理由を挙げてください。
そのうえで90点以上になるよう直し、
「どこをどう直したか」を最後に3行でまとめてください。
⚠️ 自己採点で見つかるのは「考えの抜け」だけ
構成の甘さ、論点の抜け、条件の未達——こうした設計上の問題は自己採点でよく見つかります。しかし事実の誤り・数字の間違い・存在しない出典は、自分では気づけません。ここは第5回の裏取りと同じで、人が一次情報で確認するしかありません。この分担を忘れないでください。
うごく君のひとこと採点基準を作る作業そのものが、実は価値あるんだ。「良い成果物とは何か」を自分で定義することになるからね。ここが曖昧なまま部下に仕事を頼んでいた、と気づく人も多いよ。
STEP5
DOUBT / 所要1分
反証と、前提を疑わせる

最後のひと押しです。人もAIも、自分の結論を補強する情報ばかり集めてしまいます。それを止める一言を用意しておきましょう。

効く3つの問い
1
「この結論に反対する立場の、最も強い主張は?」第5回でも使った問い。会議での突っ込みに、先回りできます。
2
「私の前提のうち、間違っている可能性が高いのは?」相談の出発点そのものが違っていた、というケースは意外と多いものです。
3
「この案が失敗するとしたら、原因は何か。上位3つを」先に失敗を想像させると、対策が具体的になります。
📋 前提を疑わせるテンプレ
いまの結論について、次の3点を答えてください。
1. この結論に反対する立場の、最も強い主張は何ですか
2. 私が置いている前提のうち、間違っている可能性が高いものはどれですか
3. この案が失敗するとしたら、原因として考えられる上位3つは何ですか

該当がない場合は「なし」と答えてください。無理に挙げないでください。
また、あなたが確信を持てない部分があれば、正直に教えてください。
うごく君のひとこと2番の「前提が間違っている可能性」、これで救われた人を何人も見てきたよ。相談の出発点がズレていると、どんなに良い答えが出ても意味がないからね。大きな判断の前には、必ず1回
STEP6
SAVE / 所要1分
効いた型を、Gemに昇格させる

最後の1分です。今回の型は長くて、毎回書くのが面倒です。だからこそ、Gemにする価値があります(第12回)。

Gemにすると強い型
  • 意思決定サポート担当:STEP2の一人会議を、常にやってくれる相手
  • 企画レビュー担当:作った企画を、批判役として点検してくれる相手
  • ◯◯原稿 作成担当:STEP3の実例と、STEP4の採点基準を仕込んだ担当
  • 前提チェック担当:STEP5の3つの問いを、いつでも投げてくれる相手
📋 「意思決定サポート担当」Gemの中身
【役割】あなたは当社の意思決定をサポートする検討役です。
【目的】経営判断に必要な材料を、偏りなく揃える
【手順】相談を受けたら、必ず次の順で答えてください。
1. まず確認:前提として不足している情報があれば、先に質問する
2. 提案役:実行案を3つ、狙いと期待効果つきで
3. 批判役:各案の弱点・失敗する条件を3つずつ(遠慮しない)
4. まとめ役:推奨案と理由、実行前に確認すべきこと3つ
5. 最後に:この結論に反対する立場の、最も強い主張
【条件】〔当社は群馬県・従業員20名・建設業〕を前提にすること
【禁止】
・数字を推測で書かない。出典が示せないものは「要確認」と明記
・当たり障りのない指摘で済ませない
・私に同意することを目的にしない
うごく君のひとこと【禁止】の最後、「私に同意することを目的にしない」——これ、経営者にはとくに大事。相談相手が全員うなずくだけの会社って、けっこう危ないからね。

結局、どの型をいつ使う?

全部を毎回使う必要はありません。日常の8割は第2回の3行で十分です。

場面使う型かかる時間解説回
日常の依頼・返信・要約3行プロンプト10秒第2回
長い文書を書かせる段取りを先に+30秒STEP1
企画・戦略・投資判断一人会議2〜3分STEP2
品質を毎回そろえたい実例+採点基準初回3分・以降は0STEP3・4
大きな決断の前反証と前提の検証1分STEP5
繰り返す検討業務Gemに昇格初回10分・以降は0第12回

費用対効果を「時間」で見える化する

この回の効果は手戻りの削減判断の質に出ます。中小企業の現場でよく見る目安です(内容により変動します)。

よくある業務普通に頼んだ場合考えさせた場合月あたり
長文資料の作成(月6本)やり直し2回・50分1回・25分▲2.5時間
企画・提案の検討(月4件)会議で差し戻し・120分事前に論点整理・50分▲4.6時間
価格・条件の判断(月2件)60分+後日の手戻り30分▲1.0時間
採用・広報の原稿(月3本)基準が曖昧で往復4回往復1回▲1.5時間

📐 かんたんな損益分岐の出し方

合計 約9.6時間/月
の削減
× 時給2,500円 月あたり
約24,000円分

ただしこの回の本当の価値は、時間ではありません。会議で指摘される前に、自分で弱点に気づけること。差し戻しが減り、判断が速くなる。経営に近い仕事ほど、効き方が大きくなります。

⚠️ 使いすぎに注意
これらの型は時間がかかります。簡単な依頼に使うと、かえって遅くなります。上の早見表を目安に、判断が絡む場面だけで使ってください。全部に使うのは、包丁で紙を切るようなものです。

プロが見ている、初心者がやりがちな7つの落とし穴

研修の現場で、実際によく見る順に並べました。心当たりがあるものから直してください。

1️⃣全部の依頼に使ってしまう

  • 簡単な用件が、かえって遅くなる
  • 直し方:判断が絡む場面だけに絞る

2️⃣批判役に「遠慮」させている

  • 当たり障りのない指摘しか出ない
  • 直し方:「遠慮はいりません」+立場を指定

3️⃣採点基準を渡していない

  • 基準の無い採点は、ただの感想
  • 直し方:4〜5項目の配点を先に渡す

4️⃣自己採点を鵜呑みにする

  • 事実の誤りは、自分では気づけない
  • 直し方:数字と出典は人が一次情報で確認

5️⃣長く書けば賢くなると思う

  • 指示が長いほど、優先順位が薄まる
  • 直し方:構造で伝える。長さではない

6️⃣反対意見を聞かない

  • 自分の結論を補強する情報ばかり集まる
  • 直し方:STEP5の3つの問いを毎回

7️⃣効いた型を保存しない

  • 長い型を毎回書き直すのは続かない
  • 直し方:Gemに昇格させる(第12回)

考えさせる型が効く、局面別の使いどころ

まずこの中から、いま迷っている判断を1つ選んで投げてみてください。

🏗️建設・現場で

  • 資材の値上がりを、単価にどう反映するか
  • 新しい工法を導入すべきかの検討
  • 人員配置の見直し案と、そのリスク
  • 元請けへの条件交渉の進め方

🏪店舗・飲食で

  • 値上げの可否と、伝え方の設計
  • 新メニュー・新サービスの投入判断
  • 出店・退店の検討材料を整理
  • 採用条件の見直しと、その影響

🧑‍💼事務・経営で

  • 設備投資・システム導入の是非
  • 事業計画の弱点を、事前に洗い出す
  • 金融機関への説明資料の論点整理
  • 就業規則・制度変更の影響検討

ここに「自立型AI」が加わると、何が変わるか

自立型AIは、指示された手順ではなく、目的から自分で段取りを組み立てます。つまり今回のSTEP1〜STEP5は、エージェントが内部でやっていることそのもの。この型を理解している人は、エージェントへの指示も自然にうまくなります。

🔭 いちばん大事な前提

自立型AIに渡すべきなのは、手順ではなく「合格条件」と「疑ってほしい観点」です。第2回のゴール先行型に、今回の批判役・採点基準・反証を足したものが、そのままエージェントへの発注書になります。ここまで書ける人は、AIが賢くなるほど強くなります。

✅ 考えさせてよい範囲 向いている
  • 論点の洗い出しと、抜けの指摘
  • 複数案の比較と、それぞれの弱点
  • 反対意見・失敗シナリオの想定
  • 成果物の自己点検と、構成の改善
  • 前提そのものの検証
⛔ 任せてはいけない範囲 要注意
  • 最終的な意思決定そのもの
  • 事実・数字の正しさの保証
  • 法令・税務・契約の判断
  • 人事評価・採否の判断
  • 検算なしに、結論を社外へ出すこと
うごく君のひとことAIに考えさせるほど、人がやるべきことがはっきりしてくるんだ。論点を出すのはAI、決めるのは人。役割が分かれたほうが、判断もむしろ速くなるよ。

つまずいたときのチェックリスト

批判役の指摘が、当たり障りない
2つ足してください。①「遠慮はいりません」の一言 ②誰の立場から批判するかの指定(取引先の目線で/現場の職人の目線で/銀行の担当者の目線で)。とくに②が効きます。立場が決まると、指摘が具体的になります。それでも弱い場合は「厳しい人が読んだらどこを突くか」と聞いてみてください。
自己採点で、いつも高得点をつけてくる
採点基準が抽象的な可能性が高いです。「分かりやすいか」ではなく「専門用語に注釈があるか」「A4一枚に収まっているか」のように、数えられる基準にしてください。また「厳しめに採点してください。80点を平均と考えてください」と基準の水準を伝えるのも有効です。
長い指示を書いたら、逆に精度が落ちた
よくあります。長さと質は比例しません。指示が長いと優先順位が薄まり、どれも中途半端に守られます。対策は、①見出しで構造化する(■①提案役、のように)②1回で全部やらせず、段階に分ける(まず提案だけ、次に批判だけ)。分けるほうが、確実に質が上がります。
毎回この型を書くのが面倒
それが正常な感覚です。Gemにしてください(第12回・STEP6)。一度作れば、次からは相談内容を打つだけで、一人会議が始まります。テンプレはSTEP6に用意しました。面倒だと感じた型ほど、Gemにする価値があります。
結局、自分で考えるのと何が違うんですか
良い質問です。答えは「速さと網羅性」。人が3日かけて気づく論点を、2分で並べてくれます。ただし決めるのは人で、そこは変わりません。AIは会議のメンバーを増やす道具であって、議長を代わる道具ではない——この理解でお使いください。

安全に、かしこく使うために

1事実と数字は人が確認

自己採点で見つかるのは「考えの抜け」まで。事実の誤り・存在しない出典は、一次情報で人が確認してください。

2実例に機密を含めない

基準を教えるための実例は、顧客名・原価・個人情報を伏せて一般化してから使ってください。

3決めるのは人

AIは論点を出す道具です。法令・税務・契約・人事の判断は、専門家の確認を含めて人が行ってください。

4同意を求めない

「私に同意することを目的にしない」と明記してください。うなずくだけの相談相手には、価値がありません。

よくある質問

無料プランでも使えますか
この回の型はすべてプロンプトの書き方なので、プランに関係なく使えます。ただし応答が長くなるため、無料プランでは利用回数の上限に当たりやすくなります。日常は3行プロンプト、重要な判断のときだけ今回の型、という使い分けが現実的です。
ChatGPTやClaudeでも同じ型が使えますか
使えます。この回の内容は、どのAIでも共通です。役割を分ける、採点基準を渡す、反証を求める——これらはツールの機能ではなく、考えさせるための設計だからです。第2回の型と同様、シリーズを通じて最も応用が利く部分になります。
社員に教えるとき、何から教えればいいですか
STEP1の「段取りを先に言わせる」だけで十分です。1行足すだけで効果が実感でき、時間もほとんど増えません。一人会議(STEP2)は、判断を担う立場の人だけに教えてください。全員に教えると、かえって業務が遅くなります。
AIが出した反対意見に、納得できないときは
それで正常です。AIの指摘は、検討すべき論点であって結論ではありません。納得できない場合は「その指摘は当社の状況では当てはまらないと考えます。理由は◯◯です。それでも懸念が残る点はありますか」と返してみてください。議論を続けることで、自分の考えも整理されます。
研修として社内に導入する場合、助成金は使えますか
人材開発支援助成金など、要件を満たせば活用を検討できる制度があります。ただし対象コース・訓練時間・申請時期などの要件は毎年更新されるため、必ず最新の公募要領と、管轄の労働局へのご確認をお願いします。UGOKU AIでは、要件の整理からご相談いただけます。

理解度チェック(3問・1分)

読んだだけだと、たいてい3日で忘れます。3問だけ答えて、記憶に固定してから閉じてください。

🧠 3問クイズ

選ぶだけ。すぐに答えと解説が出ます。

1長い資料を作らせるとき、いちばん手戻りを減らす一言は?
正解:構成を先に言わせる。長文が出てから方向違いに気づくのが、いちばんの時間の無駄です。10秒で読める段取りを先に確認すれば、本文は1回で決まります。人に仕事を頼むときと同じです。
2AIの自己採点で「見つからない」のはどれ?
正解:事実の誤り・存在しない出典。自己採点で見つかるのは「考えの抜け」までです。数字・法令・固有名詞は、人が一次情報で確認するしかありません。第5回の裏取りは、ここでも必要です。
3批判役の指摘を鋭くする、いちばん効く工夫は?
正解:遠慮を外し、立場を指定する。「取引先の目線で」「銀行の担当者の目線で」——立場が決まると、指摘が具体的になります。口調を厳しくしても、中身は変わりません。

このシリーズの進み方(全15回+番外編)

1回あたり10〜15分、上から順に積み上がる設計です。整える→頼む→読ませる→書かせる→調べる→作る→任せる→広げるの順で進みます。

テーマこの回で手に入るもの時間
第1回Geminiの基礎Googleとつながったワークスペース15分
第2回伝わる頼み方材料を名指しするプロンプトの型10分
第3回ドライブ横断の資料分析探さずに、まとめて要点化する15分
第4回Gmail連携のメール術受信トレイを離れずに返信を終える10分
第5回Deep Research出典つき調査レポートと、裏取りの手順15分
第6回スプレッドシート分析関数を書かずに集計・グラフ化10分
第7回画像・動画の制作POP・バナー・短尺動画の内製化15分
第8回会議の準備と議事録カレンダー連携と、録音→決定事項10分
第9回タスク自動化定型処理を書かせて消す15分
第10回Canvas会話ではなく“編集画面”で仕上げる10分
第11回Gemini Notebook自社資料だけで答える社内辞書15分
第12回Gemの量産役割ごとのAI担当者を並べる10分
第13回Workspace展開チーム全員の標準にする設定と権限15分
第14回高度なプロンプト(この記事)自分で考えさせる指示の組み立て10分
第15回フルワークフロー1〜14をつないだ完全AI自動化システム15分
番外編総括/セキュリティ情報漏洩・コンプライアンス・社内規程の型15分
COMPLETE

最後まで読んでくれて、ありがとう。

上のチェックを埋めていくと、進み具合がここに出ます。全部でなくて大丈夫。1つでも実際にやった人から、確実に変わっていきます。

0 / 6 ステップ完了
🎓 第14回の宿題

この記事を閉じる前に、いま迷っている判断を1つ選んで、STEP2の一人会議にかけてみてください。それだけで第14回は合格です。批判役の指摘の中に、「言われてみればそうだ」が1つでもあれば、この10分の元は取れています。次はいよいよ最終回、「1〜14をつないだ完全AI自動化システム」を扱います(所要15分)。

無料AI化診断

考える相手が、手に入った。
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