残り 10
Gemini実践シリーズ 第12回 | 所要10分

ひとりの工夫を、
全員の標準に。

あなたが見つけた「うまくいく頼み方」は、あなたの中だけにあります。Gem(ジェム)にすれば、同じ品質の仕事が、誰にでもできるようになります。AIを使える人を増やすのではなく、使える状態を配る回です。

案内役はこの子、うごく君。つまずきやすいポイントを、先回りして教えます。
🏁 結論から言います

この10分を終えると、AI活用は
「個人の工夫」から「会社の仕組み」に変わります。

読むだけでは変わりません。でも、この記事の手順を1回なぞるだけで、次のような差が出ます。

BEFORE / 今のあなた
  • 毎回、同じ前提を説明してから頼んでいる
  • 自分は使えるが、他の社員は使いこなせない
  • 人によって、出てくるものの品質がバラバラ
  • 「AIに聞いといて」が、指示として成立しない
  • 研修をやっても、翌月には元に戻っている
AFTER / 10分後のあなた
  • Gemを開けば、前提の説明はゼロ
  • 新人でも、ベテランと同じ形の成果物が出る
  • 品質が、人ではなく仕組みで決まる
  • 「あのGemを使って」で指示が通る
  • 改善が、次の人にも自動で引き継がれる
📌 ここまでの回が、ここで束になります:第2回の「フル装備の型」、第10回で作った「ひな形」、第11回の「社内辞書」。そのすべてをGemに載せられます。今日は、シリーズの総まとめのような回です。
うごく君より

おかえりなさい、うごく君です。第11回で「聞ける状態」を作りましたね。今回は「やらせる状態」を作ります。前回の一言を覚えていますか——「聞きたい」ならNotebook、「やらせたい」ならGem。これで対がそろいます。この記事を上から10分やり切ると、次の状態になります。

  • Gemにすべき業務と、すべきでない業務が分かる
  • 5つの枠を埋めるだけでGemが作れる
  • 資料を添えて、うちの正解で答えさせられる
  • 3件テストして、品質を確かめられる
  • チームに安全に配れる
  • 増えすぎないよう管理する仕組みが持てる
30秒でわかる

Gemは、
「AIの担当者」を置くこと。

人を雇うときと、考え方はまったく同じです。

🎭

1. 役割を決める
= 何の担当か

クチコミ返信担当、見積回答担当、求人原稿担当。1体につき1業務が鉄則です。

📋

2. 手順を教える
= どうやるか

やること・条件・禁止事項。新人に引き継ぐときと同じ内容を書けば十分です。

📎

3. 資料を渡す
= 何を見て判断するか

手順書、価格表、過去の良い実例。ここがあると、一般論ではなく"うちの答え"になります。

GEMINI MASTER | LESSON 12

第12回:Gemの量産
― 役割ごとの、AI担当者を並べる ―

パソコンが得意でない方でも、上から順に進めるだけで終わるように作りました。所要時間の目安は合計10分です。

💡 最初にこれだけ

Gemを作るときのコツは、「新人に引き継ぐつもりで書くこと」です。難しい設定は要りません。何の担当で、どういう順番でやって、何をしてはいけないか——実際に人に教えるときに話す内容を、そのまま書けばいい。だから現場を知っている人ほど、良いGemが作れます

なぜ「使える人を増やす」では、うまくいかないのか

AI研修が定着しない最大の理由が、ここにあります。

POINT 01

研修で教えても、翌月には元に戻る

プロンプトの書き方を教わっても、忙しい現場では思い出せません。結局「自分でやったほうが早い」に戻る。これは本人のやる気の問題ではなく、毎回ゼロから書かせている設計の問題です。Gemなら、開くだけで前提が揃っています。

POINT 02

改善が、その人の中で止まってしまう

誰かが「この頼み方だとうまくいく」と気づいても、その工夫は他の人に伝わりません。Gemにしておけば、1人の改善が全員の品質向上になります。逆に言えば——Gemにしていない工夫は、その人が辞めたら消えます。

失敗しないための、たった2つのルール

RULE 01

1体につき、1業務だけ

「なんでもできる万能Gem」は、まず失敗します。手順が長くなり、どの場面でどれが効くのか分からなくなるからです。クチコミ返信、見積回答、求人原稿——それぞれ別の1体に。作るのは3分で済みます。

RULE 02

【禁止】の欄を、必ず書く

Gemはあなた以外の人も使います。だからこそ、やってはいけないことを明記してください。「値引きを約束しない」「材料に無い数字を書かない」「個人名を出さない」。この1欄が、配ったあとの事故を防ぎます。

この記事のゴール:Gemの育て方にも「3段階」がある

全部を今日やる必要はありません。まずレベル1、慣れたらレベル2。レベル3は組織で使う段階です。

LEVEL 1 / 今日から

自分用に1体つくる

毎週やっている作業を1つ。前提の説明がゼロになります。

STEP 1・2 で解説
LEVEL 2 / Gemの本命

資料を載せて、配る

うちの正解で答える状態にして、チームに渡す。ここで属人化が解けます。

STEP 3〜5 で解説
LEVEL 3 / 組織で使う

並べて、管理する

3体を超えたら管理の話。ここを決めないと、いずれ収拾がつかなくなります。

STEP 6 で解説
STEP1
PICK / 所要2分
Gemにする業務を、選ぶ

向く業務には、はっきりした特徴があります。次の3つがそろっているものを選んでください。

Gemに向く業務の3条件
1
繰り返しがある週1回以上、同じ種類の仕事が発生する
2
品質をそろえたい人によって出来が違うと困る
3
前提の説明が毎回必要「うちは〜だから」を毎回言っている
Notebookとの使い分け(前回の続き)
やりたいこと使うものひとこと
うちのルールを確認したいGemini Notebook聞く辞書。第11回
決まった成果物を作らせたいGemやらせる担当者。今回
自分の文体を全会話に効かせたい保存された情報第1回。自分だけに効く
時間になったら勝手に動かしたい自動化第9回。人が呼ばなくていい
いまの状態 できる人 ? ? ? 工夫が、その人の中で止まる Gemにすると クチコミ返信担当Gem 役割・手順・条件・禁止・資料 新人 店長 事務 パート 誰が使っても、同じ品質で出てくる
Gemにしていない工夫は、その人が辞めたら消えます
うごく君のひとこと最初の1体は、あなたが「毎回同じ説明をしている作業」から選ぶといいよ。その説明文が、そのままGemの中身になるからね。作るのに3分もかからないはず。
STEP2
BUILD / 所要2分
5つの枠を、埋めるだけ

第2回で覚えた「フル装備の型」を、そのままGemの中身にします。新しく覚えることはありません

手順
  1. Geminiの左メニューからGemマネージャーを開く
  2. 新しいGemを選ぶ
  3. 名前を付ける(誰が見ても用途が分かる名前に。例:クチコミ返信担当)
  4. 下のテンプレを手順欄に貼り、自社の内容に書き換える
  5. 保存して、いったん自分で1回使ってみる
📋 Gemの中身テンプレ(5枠)
【役割】あなたは〔当社の見積回答担当〕です。
【目的】〔お客様からの照会に、資料に基づいて過不足なく回答する〕
【手順】
1. 相手が聞いている点を、箇条書きで整理する
2. 添付資料の中から、該当する条件・金額を探す
3. 資料に無い項目は答えず、「確認のうえ改めて」とする
4. 回答文を作り、末尾に根拠(資料名と該当箇所)を書く
【条件】〔300字以内・敬体・結論を先に・専門用語には注釈〕
【禁止】
・資料に無い金額や納期を書かない
・値引きや無償対応を約束しない
・お客様の個人名を回答文に含めない
不足している情報があれば、書き始める前に質問してください。
名前の付け方が、意外と重要です

「Gem1」「テスト」といった名前だと、配ったあと誰も使いません。「◯◯担当」の形にしてください。人に頼むときと同じで、何を頼める相手か一目で分かることが、使われるかどうかを決めます。

うごく君のひとこと【禁止】の欄は3行でいいから必ず書いて。自分だけで使うなら要らないと思うかもしれないけど、Gemは配るものだからね。他の人が使ったときに事故らないようにしておくのが、作った人の責任だよ。
STEP3
KNOWLEDGE / 所要2分 ★ここで別物になる
資料を添えて、うちの答えにする

ここがこの記事の山場です。手順だけのGemは、丁寧な一般論しか返しません。資料を添えた瞬間に、"うちの回答"に変わります

添えると効く資料
📋 手順書・作業要領 💰 価格表・料金表 ⭐ 過去の良い実例(3件) 📖 用語集・略語一覧 ⚠️ やってはいけない例 📝 使っている様式・記入例
いちばん効くのは「良い実例3件」

文体や粒度を言葉で説明するのは難しいものです。過去にうまくいった実例を3件添えるほうが、はるかに速く、正確に伝わります。「この3件と同じ雰囲気で」の一言で、狙いどおりの出力になります。

📋 資料を添えたときの、手順欄への追記
【参考資料の使い方】
・〔価格表〕:金額はこの資料の数字だけを使うこと。推測しない
・〔良い返信例3件〕:文体・長さ・締め方をこの3件に合わせること
・〔やってはいけない例〕:この形の表現は使わないこと
【資料に無い場合】
勝手に補わず、「確認のうえ改めてご連絡します」と書いてください。
どの資料のどこを根拠にしたかを、回答の末尾に必ず示してください。
⚠️ 添える資料も、古くなります
第11回とまったく同じ問題です。改定前の価格表がGemに添えられたままだと、間違った金額が"うちのルール"として返ってきます。しかも配ったあとなので、複数の人が同時に間違えます。資料を差し替える担当者を、Gemごとに決めてください。
⚠️ 個人情報・機密は添えない
Gemは共有すると、添えた資料も一緒に共有されます。顧客名簿、個人別の評価、他社から預かった秘密情報は入れないでください。実例を使う場合は、会社名・個人名を伏せて一般化してから添えること。
うごく君のひとこと「良い実例3件」、ほんとうに効くよ。3件くらいが一番いいんだ。1件だとそれを丸写ししようとするし、10件だと平均化されて特徴が消える。バラつきのある良い例を3件がコツ。
STEP4
TEST / 所要2分
3件テストして、直す

配る前に、必ずテストしてください。1件ではなく3件です。1件だとたまたま良かっただけかもしれません。

テストに使う3件の選び方
1
いちばん多いパターン日常の8割を占めるケース。ここが安定していないと話になりません。
2
難しいパターンクレーム、例外対応、判断が要るケース。ここでボロが出ます
3
資料に答えが無いパターンきちんと「確認のうえ改めて」と返すか。勝手に作り話をしないかの確認です。
📋 自分で採点させて、直させる
いまの出力を、次の観点で10点満点で採点してください。
1. 【条件】をすべて満たしているか(字数・文体・構成)
2. 【禁止】に触れていないか
3. 資料に無いことを書いていないか
4. 〔新人が読んで、そのまま使えるか〕
減点した理由を挙げたうえで、Gemの手順のどこを直せば改善するか、
具体的な修正文を提案してください。
⚠️ テストせずに配らないでください
Gemは配った瞬間に複数の人が同時に使い始めます。設計のミスがあれば、それが全員分まとめて出てきます。とくに3番のテスト(資料に答えが無いケース)は必ずやってください。ここで作り話をするGemを配ると、社外に間違いが出ていきます。
うごく君のひとこと直すときは、出力ではなくGemの手順を直すのがポイント。出力を毎回手直ししていたら、Gemにした意味がないからね。「この結果になった原因は、手順のどこ?」と聞くのがコツだよ。
STEP5
SHARE / 所要1分
チームに、配る

ここまで来たら配ります。ただし配って終わりにすると、使われません。渡し方まで含めて1分です。

配るときの4点
  1. 共有範囲を決める:全社か、部署か、担当者だけか
  2. 編集できる人を絞る:誰でも手順を変えられる状態にしない
  3. 使い方を1行で添える:「クチコミが来たら、これに貼るだけ」
  4. 最初の1週間は結果を見る:想定外の使われ方に気づけます
📋 社内に配るときの案内文
件名:〔クチコミ返信〕用のAI担当者を用意しました

〔クチコミへの返信文づくり〕を手伝うAI(Gem)を作りました。
使い方:「〔クチコミ返信担当〕」を開いて、〔投稿内容を貼り付ける〕だけです。

・出てきた文章は、必ず自分で読んでから使ってください
・〔金額や日程の約束〕が含まれていたら、送らずに〔店長〕に相談を
・うまくいかない例があれば、〔担当者名〕まで教えてください。改善します

慣れるまでは、これまでどおり自分で書いてもかまいません。
⚠️ 「使え」と言わないでください
押しつけると、現場は必ず反発します。「うまくいかない例を教えてください」と伝えるほうが、はるかに定着します。改善に参加してもらう形にすると、自分たちのものになるからです。最初の1か月は、任意で十分です。
うごく君のひとこと案内文の「出てきた文章は必ず自分で読んでから」は絶対に入れてね。Gemがあると、つい確認せずに使っちゃうんだ。第4回からずっと同じ——取り消せないことの手前に、人が立つ
STEP6
MANAGE / 所要1分
増やす前に、管理を決める

最後の1分です。Gemは作るのが簡単なので、あっという間に増えます。3体を超えるあたりから、管理の話が必要になります。

一覧表に書く5項目(スプレッドシート1枚で十分)
項目書く内容なぜ必要か
Gemの名前◯◯担当重複を防ぐ
用途1行で似たGemが乱立しない
管理する人氏名手順と資料の更新責任者
添えた資料ファイル名と版古くなったとき差し替える
最終確認日年月日放置を防ぐ
増やしていく順番
  • 1体目:自分がいちばん多く同じ説明をしている作業
  • 2〜3体目:同じ部署の、他の人がやっている定型業務
  • 4体目以降:他部署へ。ここで一覧表が無いと崩れます
  • 見直し:半年に1度、使われていないGemは思い切って削除
うごく君のひとこと使われていないGemは削除」も大事だよ。10体あるうち3体しか使われていない状態って、探すときに邪魔になるだけなんだ。少なくて、確実に使われるほうが強い。

ここまでの総整理:4つの道具の使い分け

第1回から第12回までに出てきた「前提を持たせる仕組み」を、1枚にまとめます。ここが頭に入れば、シリーズの後半は自在に組み合わせられます。

観点保存された情報GemGemini Notebook自動化
ひとことで自分の名刺AIの担当者社内の辞書動く仕組み
入れるもの立場・文体手順+資料資料だけきっかけ+処理
効く範囲自分の全会話そのGemの中そのノートの中指定した業務
人に配れる配れない配れる配れる配れる
得意なこと前置きを消す品質をそろえる出典つきで答える人が呼ばなくていい
解説回第1回第12回第11回第9回

費用対効果を「時間」で見える化する

Gemの効果は使う人数だけ倍になるのが特徴です。中小企業の現場でよく見る目安です(業務内容により変動します)。

よくある業務GemなしGemあり月あたり(5名利用)
クチコミ返信(1人月10件)12分3分▲7.5時間
見積照会への回答(1人月8件)20分5分▲10.0時間
報告書の作成(1人月8件)25分8分▲11.3時間
毎回の前提説明(1人月30回)3分0分▲7.5時間

📐 かんたんな損益分岐の出し方

Gem作成
1体あたり約20分
÷ 5名 × 月の削減
(例 7.5時間)
初日で回収
翌日からは純利益

ただし本当の価値は時間ではありません。新人がベテランと同じ品質の仕事をできること。教育にかかる期間が短くなり、採用のハードルも下がります。人手不足の会社ほど、ここが効いてきます。

⚠️ 数字を出すときの注意
上の「Gemあり」には、出てきた内容を人が確認する時間を含めています。確認を省く前提の試算は、社内で必ず崩れます。含めても十分に速い——それが正直な結論です。

プロが見ている、初心者がやりがちな7つの落とし穴

研修の現場で、実際によく見る順に並べました。心当たりがあるものから直してください。

1️⃣万能Gemを作ろうとする

  • 手順が長くなり、どれも中途半端に
  • 直し方:1体につき1業務

2️⃣【禁止】を書いていない

  • 配ったあと、他の人が事故を起こす
  • 直し方:3行でいいから必ず書く

3️⃣資料を添えていない

  • 丁寧な一般論しか返ってこない
  • 直し方:良い実例3件を添える

4️⃣テストせずに配る

  • 設計ミスが、全員分まとめて出る
  • 直し方:3件テスト。とくに「答えが無い」ケース

5️⃣添えた資料を更新しない

  • 古い価格表が"うちのルール"として返る
  • 直し方:Gemごとに管理担当を決める

6️⃣「使え」と押しつける

  • 現場が反発し、こっそり使われなくなる
  • 直し方:改善に参加してもらう形に

7️⃣一覧表を作らずに増やす

  • 似たGemが乱立し、誰も探せなくなる
  • 直し方:3体を超える前に1枚作る

Gemが効く、局面別の使いどころ

まずこの中から、あなたが毎回同じ説明をしているものを1つ選んで作ってみてください。

🏗️建設・現場で

  • 元請けへの週次報告 作成担当
  • 見積照会への回答担当(価格表を添付)
  • 安全書類の記入チェック担当
  • 作業日報の清書担当(現場の言葉を残す)

🏪店舗・飲食で

  • クチコミ返信担当(過去の良い返信3件を添付)
  • 予約変更・キャンセル対応担当
  • SNS投稿の下書き担当(トーンを固定)
  • アレルギー問い合わせ回答担当(原材料表を添付)

🧑‍💼事務・経営で

  • 求人原稿 作成担当(自社の実績と条件を添付)
  • 請求・入金の照会メール回答担当
  • 稟議書の下書き担当(様式を添付)
  • 新人からの質問 一次回答担当

ここに「自立型AI」が加わると、何が変わるか

Gemini Spark のような自律型エージェントに仕事を任せるとき、いちばん困るのは「この会社ではどうやるのが正解か」を知らないことです。Gemは、まさにその手順書にあたります。第11回のNotebookが「知識」なら、Gemは「作法」。この2つがそろっている会社ほど、エージェントが賢く動きます

🔭 いちばん大事な前提

今日やった作業は、「AIに仕事を教える」ことそのものです。人に引き継ぐときに書く内容と、まったく同じ。だから——引き継ぎ書が書ける会社は、AI活用も進みます。逆に、手順が誰の頭の中にもない業務は、人にもAIにも渡せません。Gemづくりは、業務の棚卸しでもあります。

✅ Gemに任せてよい範囲 向いている
  • 定型的な文書・返信の下書き作成
  • 資料に基づく一次回答の作成
  • 様式に沿った記入・整形
  • チェックリストに沿った確認作業
  • 新人からの質問への、一次的な案内
⛔ Gemに任せてはいけない範囲 要注意
  • 確認なしでの社外送信・公開
  • 金額・納期・条件の確定
  • クレームやトラブルの最終対応
  • 人事評価・採否に関わる判断
  • 個人情報を含む資料の取り込み
うごく君のひとことGemを作っていると、「あれ、この業務の手順って誰も決めてなかったな」って気づくことがあるんだ。それが見つかっただけでも、この10分の価値は十分あるよ。

つまずいたときのチェックリスト

Gemを他の人に共有できない
共有できる範囲は、プラン・アカウントの種類・提供地域によって異なります。個人向けプランでは、他の人への共有ができない場合があります。組織で使うなら、Google Workspace(法人契約)を確認してください。共有できない環境では、Gemの中身(5枠のテキスト)をドキュメントで配り、各自に同じGemを作ってもらう方法でも代用できます。
指示どおりに動いてくれない
条件が抽象的なことが多いです。「丁寧に」ではなく「敬体・300字以内・絵文字なし」のように、数えられる条件に置き換えてください。それでも直らない場合は、【禁止】の欄を足すのが効きます。また、手順が長すぎると全部を守れなくなるので、1体を2体に分けることも検討してください。
添えた資料の内容を、無視されているように見える
手順欄に「資料の使い方」を明記していますか。「参考にしてください」だけでは弱く、「金額はこの資料の数字だけを使う」「文体はこの3件に合わせる」のように、どの資料をどう使うかを1行ずつ書いてください。あわせて「根拠を末尾に示して」と入れると、実際に参照しているかが確認できます。
作ったが、社内で使われない
原因はたいてい3つ。①名前が分かりにくい(「Gem1」など)②使い方が伝わっていない ③押しつけられたと感じている。「◯◯担当」という名前にし、使い方を1行で添え、「うまくいかない例を教えてください」と伝える。この3つで大きく変わります。最初の1か月は任意で構いません。
Gemが増えすぎて、管理できない
3体を超えたら一覧表を作ってください(STEP6)。スプレッドシート1枚で十分です。あわせて半年に1度、使われていないGemは削除を。10体あって3体しか使われていない状態は、探すときの邪魔になるだけです。少なくて、確実に使われるほうが強いと考えてください。

安全に、かしこく使うために

1【禁止】を必ず書く

Gemは他の人も使います。値引きの約束、資料に無い数字、個人名の記載。禁止事項の3行が、配ったあとの事故を防ぎます。

2個人情報・機密は添えない

共有すると、添えた資料も一緒に共有されます。実例を使うなら、会社名・個人名を伏せて一般化してから。

3添えた資料を更新する

古い価格表や改定前の規程が残ると、間違いが"うちのルール"として複数人に返ります。Gemごとに管理担当を決めてください。

4出力は人が読んでから使う

Gemがあると、つい確認せずに使いがちです。社外に出るものは、必ず人が読んでから。案内文にも明記してください。

よくある質問

無料プランでも作れますか?
Gemの作成自体は利用できる範囲がありますが、他の人への共有や、添えられる資料の量には差があります。組織で配って使うなら、法人向けの契約を確認してください。まず自分用に1体作って効果を確かめてから、契約を検討するのが合理的です。
ChatGPTのGPTsと、同じものですか?
考え方はほぼ同じです。役割・手順・資料を設定して、専用のAIを作る仕組みです。違いはGoogleとのつながりで、ドライブの資料をそのまま添えられる点、Workspaceの権限管理と一体で運用できる点が、Geminiの利点になります。すでにGoogleを使っている会社なら、こちらが管理しやすいでしょう。
何体くらい作るのが適正ですか?
会社の規模にもよりますが、従業員20名程度なら5〜10体で十分というのが実感です。大事なのは数ではなく、実際に毎週使われているか。使われていないGemは、あっても意味がありません。まず1体、確実に使われるものを作ってください。
社員に作らせても大丈夫ですか?
推奨します。現場を知っている人ほど、良いGemが作れます。ただしルールを先に決めてください。①【禁止】を必ず書く ②個人情報・機密は添えない ③作ったら一覧表に登録する ④共有範囲は責任者が確認する。この4つがあれば、現場主導で進めるほうが定着します。
研修として社内に導入する場合、助成金は使えますか?
人材開発支援助成金など、要件を満たせば活用を検討できる制度があります。ただし対象コース・訓練時間・申請時期などの要件は毎年更新されるため、必ず最新の公募要領と、管轄の労働局へのご確認をお願いします。UGOKU AIでは、要件の整理からご相談いただけます。

理解度チェック(3問・1分)

読んだだけだと、たいてい3日で忘れます。3問だけ答えて、記憶に固定してから閉じてください。

🧠 3問クイズ

選ぶだけ。すぐに答えと解説が出ます。

1Gemを作るとき、手順のほかに必ず入れるべき欄はどれ?
正解:【禁止】の欄。Gemはあなた以外の人も使います。「値引きを約束しない」「資料に無い数字を書かない」の3行が、配ったあとの事故を防ぎます。自分だけで使うつもりでも、必ず書いてください。
2Gemの出力を「うちらしく」する、いちばん効く方法は?
正解:良い実例を3件添える。文体や粒度を言葉で説明するのは難しいものです。3件くらいが最適——1件だと丸写ししようとし、10件だと平均化されて特徴が消えます。
3Gemを配る前に、必ずテストすべきケースはどれ?
正解:資料に答えが無いケースを含む3件。ここで作り話をするGemを配ると、間違いが複数人から同時に社外へ出ていきます。「確認のうえ改めて」と正しく返すかを、必ず確かめてください。

このシリーズの進み方(全15回+番外編)

1回あたり10〜15分、上から順に積み上がる設計です。整える→頼む→読ませる→書かせる→調べる→作る→任せる→広げるの順で進みます。

テーマこの回で手に入るもの時間
第1回Geminiの基礎Googleとつながったワークスペース15分
第2回伝わる頼み方材料を名指しするプロンプトの型10分
第3回ドライブ横断の資料分析探さずに、まとめて要点化する15分
第4回Gmail連携のメール術受信トレイを離れずに返信を終える10分
第5回Deep Research出典つき調査レポートと、裏取りの手順15分
第6回スプレッドシート分析関数を書かずに集計・グラフ化10分
第7回画像・動画の制作POP・バナー・短尺動画の内製化15分
第8回会議の準備と議事録カレンダー連携と、録音→決定事項10分
第9回タスク自動化定型処理を書かせて消す15分
第10回Canvas会話ではなく“編集画面”で仕上げる10分
第11回Gemini Notebook自社資料だけで答える社内辞書15分
第12回Gemの量産(この記事)役割ごとのAI担当者を並べる10分
第13回Workspace展開チーム全員の標準にする設定と権限15分
第14回高度なプロンプト自分で考えさせる指示の組み立て10分
第15回フルワークフロー1〜14をつないだ完全AI自動化システム15分
番外編総括/セキュリティ情報漏洩・コンプライアンス・社内規程の型15分
COMPLETE

最後まで読んでくれて、ありがとう。

上のチェックを埋めていくと、進み具合がここに出ます。全部でなくて大丈夫。1つでも実際にやった人から、確実に変わっていきます。

0 / 6 ステップ完了
🎓 第12回の宿題

この記事を閉じる前に、あなたが毎回同じ説明をしている作業を1つ選んで、Gemを1体作ってみてください。それだけで第12回は合格です。5枠を埋めるだけなら3分で終わります。余力があれば、過去の良い実例を3件添えてみてください。別物になります。次の第13回では、「チーム全員の標準にする」 Workspace展開を扱います(所要15分)。

無料AI化診断

ひとりの工夫が、仕組みになった。
次は、あなたの会社の標準を作りませんか?

「どの業務から仕組みにすればいいか分からない」で止まっている方へ。まずは無料のAI化診断から。Googleフォームで数分、あなたの会社に合うAIの使いどころが見えてきます。

所要時間は数分です。スマホからそのまま回答できます。