GEMINI MASTER | LESSON 11
第11回:Gemini Notebook
― 自社資料だけで答える、社内辞書をつくる ―
パソコンが得意でない方でも、上から順に進めるだけで終わるように作りました。所要時間の目安は合計15分です。
💡 最初にこれだけ
Notebookの品質は、入れた資料の質そのものです。良い資料を入れれば良い答えが返り、古い資料を入れれば古い答えが返ります。AIの性能ではなく、あなたの資料整理が答えを決める——ここが他の回とまったく違う点です。だからSTEP2に、いちばん時間を割いています。
※2026年7月16日、NotebookLMはGemini Notebookに名称変更されました。既存のノートブック・共有リンク・データはそのまま引き継がれます。本記事では「Notebook」と表記します。
なぜ「マニュアルはあるのに、誰も読まない」のか
問題は、書いてあるかどうかではありません。
POINT 01
読まれないのではなく、探せない
50ページのマニュアルに答えが書いてあっても、どこに書いてあるか分からなければ、無いのと同じです。だから結局、ベテランに聞く。Notebookは、この「探す」工程を消します。聞けば、該当箇所を示して答えてくれる——マニュアルが、はじめて使われるようになります。
POINT 02
「うちのやり方」は、ネットには載っていない
ふつうのAIに「この現場の安全手順は?」と聞いても、一般論しか返りません。当たり前です、あなたの会社のルールを知らないのですから。Notebookは入れた資料の中だけで答えるので、返ってくるのは"うちの正解"になります。しかも出典つきなので、確認もできます。
失敗しないための、たった2つのルール
RULE 01
古い資料は、入れない
Notebookは入れた資料を疑いません。3年前の規程を入れれば、3年前のルールを自信たっぷりに答えます。しかも出典つきなので、余計に信じられてしまう。入れる前に、その資料が現行版かを確認してください。これが最大の事故要因です。
RULE 02
出典があっても、資料が間違っていれば間違う
「出典つき=正しい」ではありません。出典が示すのは「どの資料に書いてあったか」だけです。資料自体が誤っていれば、その誤りがそのまま答えになります。法令・金額・期限に関わる答えは、必ず一次情報でも確認してください。
この記事のゴール:Notebookの使い方にも「3段階」がある
全部を今日やる必要はありません。まずレベル1、慣れたらレベル2。レベル3は組織で使う段階です。
LEVEL 1 / 今日から
自分用の辞書をつくる
手元の資料を集めて、聞ける状態に。まず1つ作るところまで。
STEP 1〜3 で解説
LEVEL 2 / Notebookの本命
教材として配る
音声・動画・図解に変えて、新人教育に使う。ここが差になります。
STEP 4・5 で解説
LEVEL 3 / 組織で使う
会社の資産として維持する
更新ルールを決め、古くならないようにする。ここまでで一周です。
STEP 6 で解説
Notebookは万能ではありません。「同じことを何度も聞かれる」場面に、集中して効きます。まず使いどころを覚えてください。
3つの調べ方の使い分け
| 知りたいこと | 使うもの | 返ってくるもの | 向いている場面 |
| 一般的な知識・アイデア | ふつうの会話 | 幅広い答え | 相談・発想 |
| 今この資料について | ドライブ指定(第3回) | その場限りの分析 | 単発の比較・要約 |
| 外の相場・他社事例 | Deep Research(第5回) | 出典つきレポート | 調査・判断材料 |
| うちのルール・手順 | Notebook | 自社資料に基づく答え+出典 | 繰り返し聞かれること |
中小企業で効くノートブックの例
📕 業務マニュアル一式
🦺 安全・法令の社内基準
📋 就業規則・社内規程
🔧 機械・設備の取扱説明書
🏗️ 過去の施工事例・失敗事例
🍽️ レシピ・仕込み手順
💬 よくある質問と回答集
違いは性能ではなく根拠の置き場所。出典が付くので、現場でもすぐ確認できます。
うごく君のひとこと作るノートブックを選ぶ基準はシンプル。「今月、同じ質問を3回以上された話題」。それが最初の1つだよ。全部をまとめようとすると、たいてい完成しないんだ。
STEP2
SOURCE / 所要3分 ★ここで9割決まる
何を入れるかで、答えが決まる
この3分が、この回でいちばん重要です。Notebookは入れた資料を疑いません。だから、入れる前の選別がすべてになります。
入れられるもの
- Googleドキュメント・スライド・PDF:マニュアル、規程、手順書、仕様書
- Webページ:自社サイト、行政の公表資料、メーカーの製品ページ
- YouTube動画:URLを渡すと、内容を扱えます(設備の操作説明など)
- 音声ファイル:ベテランに口頭で語ってもらった内容を、そのまま資料に
- 写真・画像:紙の資料を撮影したもの(第3回の応用です)
入れる前の3つのチェック
1
現行版か改訂前の規程、旧料金表、廃止された手順。古い資料は、古い答えを自信たっぷりに返します。ファイル名に版と日付を入れておくのが確実です。
2
矛盾していないか同じテーマで内容が食い違う資料が2つあると、答えも揺れます。どちらが正なのかを決めてから入れてください。
3
入れてはいけないものが混ざっていないか個人情報、他社から預かった秘密情報、社外秘の原価。共有する前提なら、なおさら慎重に。次の警告を必ず読んでください。
📋 入れた資料を、まず点検させる
いま入れた資料について、次を確認してください。
1. 資料どうしで、内容が食い違っている箇所はありますか
2. 日付や版から見て、古い可能性がある資料はどれですか
3. このテーマについて、資料に書かれていない(抜けている)論点は何ですか
4. 個人名・連絡先など、個人が特定できる記述が含まれる箇所はどこですか
該当がなければ「なし」と答えてください。推測で補わないでください。
⚠️ 個人情報と機密の扱いを、先に決めてください
ノートブックは
共有すると、中の資料も相手が見られる状態になります。顧客名簿、従業員の個人データ、他社から預かった図面や仕様——これらを入れる前に、社内で線を引いてください。とくに
「自分用に作ったものを、あとからチームに共有する」ときが危険です。共有の直前に、中身をもう一度見直す運用にしてください。
うごく君のひとこと「うちにはマニュアルが無い」って会社も大丈夫。ベテランに30分しゃべってもらって、その音声を入れるだけでいいんだ。整った文書じゃなくていい。話し言葉のままで、ちゃんと答えられるようになるよ。
聞き方のコツは、他の回と同じです。「まとめて」ではなく「取り出して」。ただしNotebookには、もう1つ大事な使い方があります——資料に書かれていないことを見つけることです。
📋 現場で使える聞き方
私は〔入社3か月の新人〕です。専門用語は避けて説明してください。
質問:〔◯◯の作業をするとき、事前に何を確認すればいいですか〕
・手順は番号つきで、順番どおりに
・各手順に、どの資料の何ページが根拠かを添えて
・資料に書かれていないことは答えず、「資料に記載なし」と明記してください
・特に注意すべき点があれば、最後にまとめて
Notebookならではの、3つの聞き方
1
「資料に書かれていないことは?」マニュアルの抜けが見つかります。これがいちばん価値のある使い方かもしれません。改訂すべき箇所が一覧で出ます。
2
「新人がつまずきそうな箇所は?」説明が足りない部分を、AI側から指摘してもらえます。教える側の準備にも使えます。
3
「この資料とこの資料で、食い違いは?」複数の規程・手順書のズレを洗い出せます。改訂の優先順位が決まります。
📋 マニュアルの穴を見つける
入れた資料を、〔入社したばかりの人が読む〕前提で点検してください。
1. 手順は書いてあるが、「なぜそうするか」が書かれていない箇所
2. 前提知識が無いと分からない用語(説明が必要なもの)
3. 例外やトラブル時の対応が書かれていない箇所
4. 資料どうしで食い違っている箇所
それぞれ、どの資料のどこかを示してください。
最後に、改訂すべき優先順位を3つ挙げてください。
⚠️ 出典があっても、鵜呑みにしない
出典が示すのは
「どの資料に書いてあったか」だけです。その資料自体が古い・誤っていれば、答えも間違います。
法令・金額・期限・安全に関わる答えは、必ず原本と一次情報でも確認してください。とくに人の安全に関わる手順は、AIの答えだけで判断させない運用にしてください。
うごく君のひとこと「資料に書かれていないことは、資料に記載なしと明記して」——この一行が命綱だよ。これが無いと、AIが一般知識で埋めてしまって、うちのルールじゃない答えが混ざるんだ。
STEP4
TEACH / 所要3分 ★Notebookの本命
音声・動画にして、教育に使う
ここがNotebookのいちばん面白いところです。入れた資料から、そのまま教材が作れます。読ませるより、聞かせる・見せるほうが定着する場面は多くあります。
作れる教材の形
| 形 | 特徴 | 向いている場面 |
| 音声概要 | 対話形式で解説してくれる | 移動中・作業中に聞かせる |
| 動画概要 | 図解つきで説明 | 新人研修・朝礼での共有 |
| インフォグラフィック | 1枚の図に整理 | 現場に貼る・掲示物に |
| よくある質問集 | Q&A形式で書き出し | ドキュメントにして配布 |
| 理解度クイズ | 設問と解説 | 研修後の定着確認 |
※作れる形式や機能名は、プラン・提供地域・時期によって異なります。使えるものから試してみてください。
📋 新人教育の教材を作らせる
入れた資料をもとに、〔入社1週目の新人向け〕の教材を作ってください。
1. 最初に覚えるべきことを、10項目に絞った一覧
2. それぞれに「なぜ大事か」を一言添える
3. 特に事故につながりやすい注意点を、3つだけ強調
4. 理解度を確認する5問のクイズ(答えと、資料の該当箇所つき)
※専門用語には必ず説明を付けてください。
※資料に書かれていないことは含めないでください。
⚠️ AIが作った教材であることを、伝えてください
音声や動画は、聞くと
人が説明しているように感じられます。研修で使うときは「これはAIが資料から作った教材です」と伝え、
内容を人が事前に確認してください。とくに安全教育では、間違った手順がそのまま定着すると取り返しがつきません。
教材は必ず、責任者が通しで確認してから使う運用にしてください。
うごく君のひとこと音声概要って、移動中の車内で聞けるのが強いんだ。現場に向かう道中に、その日の作業手順を聞いておく。読む時間が取れない業種ほど、ここが効くよ。
自分だけが使っている状態では、属人化は解けません。共有して、はじめて意味があります。ただし共有の前に、必ず確認すべきことがあります。
共有する前のチェック4つ
- 中の資料をもう一度見る:自分用に入れたものに、個人情報や機密が混ざっていないか
- 共有範囲を決める:特定の人だけか、社内全員か。「リンクを知っている全員」にしていないか
- 編集権限を絞る:資料を追加・削除できる人は、限定するのが安全です
- 使い方を一言添える:「何を聞ける場所か」を伝えないと、使われません
📋 社内展開のお知らせ文を作らせる
このノートブックを社内に展開するための案内文を作ってください。
・宛先:〔現場スタッフ全員〕
・伝えること:何を聞ける場所か/どんな質問ができるか/注意点
・具体的な質問の例を3つ(実際に使いそうなもの)
・「答えは資料に基づくが、最終判断は人が行う」旨を明記
・300字以内、専門用語なし
うごく君のひとこと案内文に「実際に使いそうな質問の例」を3つ入れるのがコツ。「何でも聞いてください」だと誰も使わないけど、例があると「あ、これ聞いていいんだ」って動き出すんだ。
STEP6
MAINTAIN / 所要2分
古くならないように、する
最後の2分です。Notebookの最大のリスクは、古い情報が生き続けること。しかも出典つきで答えるぶん、余計に信じられてしまいます。ここを設計して締めます。
決めておく4つ
1管理する人を決める
資料を追加・差し替えする担当者を1人決めてください。全員が自由に入れられる状態は、矛盾のもとです。
2差し替えのきっかけを決める
規程改訂時、法令変更時、機械の入れ替え時。「変わったら、その日に差し替える」をルールにしてください。
3ファイル名に版と日付を入れる
「安全基準書_v3_2026-08」のように。どれが最新かが、名前だけで分かる状態にしておくと事故が減ります。
4半年に1回、棚卸しする
入れた資料の一覧を出させて、古いものが残っていないか確認。カレンダーに予定を入れておいてください。
📋 半年ごとの棚卸しテンプレ
このノートブックに入っている資料の一覧を出してください。
それぞれについて、次を教えてください。
1. 資料の名前と、記載されている日付・版
2. 内容から見て、古くなっている可能性がある箇所
3. 他の資料と食い違っている箇所
4. このテーマで、今後追加したほうがよい資料の種類
※日付が記載されていない資料は、その旨を明記してください。
うごく君のひとこと3番の「ファイル名に版と日付」、地味だけど効くよ。人間が見ても、AIが見ても、どれが最新か一目で分かる。第6回の「表の形をそろえる」と同じで、整理そのものがAI活用の土台なんだ。
費用対効果を「時間」で見える化する
この回の効果は「聞かれる側の時間」に出ます。ベテランや管理者の時間が空くのが、いちばん大きな価値です(業務内容により変動します)。
| よくある業務 | これまで | Notebook活用後 | 月あたり |
| 「これどうする?」への回答(1日8回) | 5分(聞く側+答える側) | 1分 | ▲11.7時間 |
| マニュアルから該当箇所を探す(1日5回) | 8分 | 1分 | ▲12.8時間 |
| 新人研修の資料づくり(月2回) | 120分 | 25分 | ▲3.2時間 |
| マニュアルの改訂箇所の洗い出し(月1回) | 90分 | 20分 | ▲1.2時間 |
📐 かんたんな損益分岐の出し方
合計 約29時間/月
(全員合計)×
時給2,500円=
月あたり
約72,500円分
ただしこの回の本当の価値は、金額では測れません。「その人が辞めたら業務が止まる」状態が解消されることです。属人化は、時間の問題ではなく事業継続の問題です。
⚠️ 数字を出すときの注意
上の「活用後」には、
資料を整えて入れる初期の手間(1テーマあたり1〜2時間)は含んでいません。初月はマイナスになります。2か月目以降で回収する、と社内には説明してください。
プロが見ている、初心者がやりがちな7つの落とし穴
研修の現場で、実際によく見る順に並べました。心当たりがあるものから直してください。
1️⃣古い資料を入れたまま使う
- 古いルールを、出典つきで自信たっぷりに答える
- 直し方:入れる前に現行版か確認。版と日付を名前に
2️⃣会社の資料を全部入れようとする
- テーマが散り、答えの精度が落ちる
- 直し方:テーマごとに1つのノートブック
3️⃣「資料に記載なし」と言わせない
- 一般知識で埋められ、うちのルールでなくなる
- 直し方:聞き方に必ずこの一行を入れる
4️⃣出典を根拠に、確認をやめる
- 資料自体が誤っていれば、答えも誤る
- 直し方:法令・金額・安全は一次情報でも確認
5️⃣共有前に中身を見直さない
- 自分用に入れた個人情報が、全員に見える
- 直し方:共有直前に必ず資料一覧を確認
6️⃣作って終わりにする
- 半年後には、誰も信用しなくなる
- 直し方:管理者と更新のきっかけを決める
7️⃣使い方を伝えずに配る
- 「何でも聞いて」では、誰も使わない
- 直し方:具体的な質問例を3つ添える
Notebookが効く、局面別の使いどころ
まずこの中から、今月3回以上聞かれた話題を1つ選んで作ってみてください。
🏗️建設・現場で
- 安全基準・KY活動の社内ルール一式
- 機械・重機の取扱説明書をまとめて
- 過去の施工事例と、失敗から学んだ点
- 元請けごとの提出書類の様式と締切
🏪店舗・飲食で
- 仕込み手順・レシピ・原価の基準
- 接客マニュアルとクレーム対応の型
- 衛生管理の記録ルールと点検項目
- 多国籍スタッフ向けに、やさしい日本語で
🧑💼事務・経営で
- 就業規則・社内規程のよくある質問
- 経理処理の社内ルール(勘定科目の判断など)
- 過去の契約書と、自社の標準条件
- 補助金の公募要領と、自社の該当要件
ここに「自立型AI」が加わると、何が変わるか
Notebookは「会社の記憶」にあたる部分です。Gemini Spark のような自律型エージェントが仕事を進めるとき、この記憶を参照できるかどうかで、成果物の質が決定的に変わります。エージェントに一般論で仕事をさせるか、うちのルールで仕事をさせるか——その分かれ目がここです。
🔭 いちばん大事な前提
自立型AIを導入する前にやるべきことは、派手な設定ではなく「会社の知識を、機械が読める形で置いておくこと」です。第6回で「表の形」を、第11回で「知識の置き場」を整える。この2つが揃っている会社だけが、エージェントを使いこなせます。逆に言えば、いま整えておけば、次の世代の道具がそのまま使えます。
✅ 任せてよい範囲 向いている
- 社内ルールの照会への一次回答
- 新人からの繰り返し質問への対応
- マニュアルの抜け・矛盾の洗い出し
- 研修教材のたたき台づくり
- 資料の棚卸しと、更新候補の提示
⛔ 任せてはいけない範囲 要注意
- 人の安全に関わる手順の最終判断
- 法令・税務・労務の解釈の確定
- 個人情報を含む資料の共有
- 確認なしでの教材の配布・実施
- 資料が古いまま放置された状態での運用
うごく君のひとことNotebookって、会社にとっていちばん長く効く投資だと思う。ツールが変わっても、整理した知識は残るからね。今日の15分は、5年後にも効いてるはずだよ。
つまずいたときのチェックリスト
「NotebookLM」で探しても見つからない
2026年7月16日に「Gemini Notebook」へ名称が変更されました。同じ製品で、既存のノートブック・共有リンク・データはそのまま引き継がれています。古いリンクも転送される仕組みです。社内マニュアルには「Gemini Notebook(旧NotebookLM)」と併記しておくと、しばらくの間の混乱を防げます。
資料に書いてあるのに、答えてくれない
考えられる原因は3つ。①資料が画像として保存されたPDFで、文字情報が入っていない ②質問の言葉が、資料の中の表現と違いすぎる ③資料の量が多く、該当箇所にたどり着けていない。②なら、資料で使われている用語で聞き直してみてください。①なら、写真として渡すほうが読める場合があります。
答えが、古いルールになっている
古い資料が残っています。入っている資料の一覧を出させて、旧版を削除してください。これがNotebookで最も多い事故です。予防策は、ファイル名に版と日付を入れること、そして規程が変わったその日に差し替えるルールを決めることです。
答えの内容が、資料と少し違う気がする
出典として示された箇所を、実際に開いて確認してください。多くの場合、複数の資料の内容を組み合わせて要約した結果、ニュアンスが変わっています。「その根拠部分を、資料の文章そのままで引用して」と頼むと、原文が確認できます。安全や法令に関わる内容は、必ずこの確認をしてください。
共有したが、誰も使ってくれない
「使い方が分からない」より「何を聞いていいか分からない」が原因のことが多いです。具体的な質問の例を3つ添えて配り直してみてください。あわせて、ベテランが質問を受けたときに「それノートブックに聞いてみて」と返す運用にすると、一気に定着します。
安全に、かしこく使うために
1入れる資料を選別する
個人情報、他社から預かった秘密情報、社外秘の原価。共有する前提なら、なおさら慎重に。入れる前に線を引いてください。
2現行版だけを入れる
古い資料は、古い答えを出典つきで返します。版と日付をファイル名に入れ、改訂時に差し替える運用に。
3出典を過信しない
出典は「どこに書いてあったか」を示すだけです。法令・金額・安全に関わる答えは、必ず一次情報でも確認してください。
4教材は人が確認してから使う
AIが作った音声・動画は、人が説明しているように感じられます。安全教育ではとくに、責任者が通しで確認してから配布を。
よくある質問
無料プランでも使えますか?
基本的な機能は無料でも利用できます。入れられる資料の数や、音声・動画の生成回数などに、プランごとの上限があります。まず1テーマで無料で試し、社内に広げる段階でプランを検討するのが現実的です。提供内容は変わりやすいため、最新の公式情報をご確認ください。
Geminiアプリの中にも「Notebooks」がありますが、違うものですか?
同じノートブックを、2つの入口から使える形です。Geminiアプリ内のセクションと、独立したGemini Notebookは連携しており、片方で加えた変更がもう片方にも反映されます。じっくり作り込むなら独立版、会話の流れで参照するならアプリ内——という使い分けで問題ありません。
入れた資料は、学習に使われませんか?
扱いはプランと契約形態によって異なります。Google Workspace(法人契約)では、入力内容が学習に使われない扱いが標準です。まず自社の契約形態を確認してください。そのうえで、そもそも入れてよい資料かどうかを社内で決めておくのが、いちばん確実な対策です。
うちにはマニュアルがありません。それでも作れますか?
作れます。ベテランに30分ほど話してもらい、その音声を入れるだけでも、十分に答えられるノートブックになります。整った文書である必要はありません。むしろ、そこからマニュアルを起こすほうが速い。「マニュアルを作ってから」と考えると、永遠に始まりません。
研修として社内に導入する場合、助成金は使えますか?
人材開発支援助成金など、要件を満たせば活用を検討できる制度があります。ただし対象コース・訓練時間・申請時期などの要件は毎年更新されるため、必ず最新の公募要領と、管轄の労働局へのご確認をお願いします。UGOKU AIでは、要件の整理からご相談いただけます。
理解度チェック(3問・1分)
読んだだけだと、たいてい3日で忘れます。3問だけ答えて、記憶に固定してから閉じてください。
🧠 3問クイズ
選ぶだけ。すぐに答えと解説が出ます。
1Notebookの答えの質を、いちばん左右するのは?
正解:入れた資料の質。Notebookは入れた資料を疑いません。3年前の規程を入れれば、3年前のルールを出典つきで自信たっぷりに答えます。しかも出典があるぶん、余計に信じられてしまいます。
2聞き方に必ず入れるべき一行はどれ?
正解:「資料に記載なし」と明記させる一行。これが無いと、AIが一般知識で隙間を埋めてしまい、うちのルールではない答えが混ざります。Notebookを使う意味そのものが失われるので、必ず入れてください。
3作ったノートブックを社内に共有する直前、必ずやることは?
正解:中身の見直し。共有すると、中の資料も相手が見られる状態になります。とくに「自分用に作ったものを、あとからチームに共有する」ときが危険です。共有直前の確認を、運用ルールにしてください。
このシリーズの進み方(全15回+番外編)
1回あたり10〜15分、上から順に積み上がる設計です。整える→頼む→読ませる→書かせる→調べる→作る→任せる→広げるの順で進みます。
| 回 | テーマ | この回で手に入るもの | 時間 |
| 第1回 | Geminiの基礎 | Googleとつながったワークスペース | 15分 |
| 第2回 | 伝わる頼み方 | 材料を名指しするプロンプトの型 | 10分 |
| 第3回 | ドライブ横断の資料分析 | 探さずに、まとめて要点化する | 15分 |
| 第4回 | Gmail連携のメール術 | 受信トレイを離れずに返信を終える | 10分 |
| 第5回 | Deep Research | 出典つき調査レポートと、裏取りの手順 | 15分 |
| 第6回 | スプレッドシート分析 | 関数を書かずに集計・グラフ化 | 10分 |
| 第7回 | 画像・動画の制作 | POP・バナー・短尺動画の内製化 | 15分 |
| 第8回 | 会議の準備と議事録 | カレンダー連携と、録音→決定事項 | 10分 |
| 第9回 | タスク自動化 | 定型処理を書かせて消す | 15分 |
| 第10回 | Canvas | 会話ではなく“編集画面”で仕上げる | 10分 |
| 第11回 | Gemini Notebook(この記事) | 自社資料だけで答える社内辞書 | 15分 |
| 第12回 | Gemの量産 | 役割ごとのAI担当者を並べる | 10分 |
| 第13回 | Workspace展開 | チーム全員の標準にする設定と権限 | 15分 |
| 第14回 | 高度なプロンプト | 自分で考えさせる指示の組み立て | 10分 |
| 第15回 | フルワークフロー | 1〜14をつないだ完全AI自動化システム | 15分 |
| 番外編 | 総括/セキュリティ | 情報漏洩・コンプライアンス・社内規程の型 | 15分 |
合計 約190分(+番外編15分)。第11回で整えた「会社の知識」は、第12回のGem、第15回のワークフロー、そして将来の自立型AIすべての土台になります。いちばん長く効く回です。
COMPLETE
最後まで読んでくれて、ありがとう。
上のチェックを埋めていくと、進み具合がここに出ます。全部でなくて大丈夫。1つでも実際にやった人から、確実に変わっていきます。
0 / 6 ステップ完了
🎓 第11回の宿題
この記事を閉じる前に、今月3回以上聞かれた話題で、ノートブックを1つ作ってみてください。それだけで第11回は合格です。資料が無ければ、ベテランの話を30分録音するところから始めてください。次の第12回では、「役割ごとのAI担当者を並べる」 Gemの量産を扱います(所要10分)。