Claudeが、あなたのマウスとキーボードを使って、画面の中で作業を終わらせる——それがComputer Use(コンピュータ操作)です。2026年3月に登場したこの機能を、専門知識ゼロの方が15分で安全に立ち上げるための手順書です。
案内役はこの子、うごく君。「怖い」の正体と、その外し方から教えます。こんにちは、うごく君です。「AIがパソコンを勝手に触るなんて、怖くない?」——正しい感覚です。だからこの回は、できることを増やす前に、触らせない範囲を決めるところから始めます。上から15分やり切ると、こうなります。
Computer Useは最強の手段ではなく、最後の手段です。Claudeは正確で速い順に手段を選びます。この順番を知っているかどうかが、成功率をいちばん左右します。
Slack・Googleカレンダー・ドライブなど、公式の連携で直接つなぐ方法。いちばん速く、いちばん間違えません。
コネクタが無いサービスは、ブラウザを操作して用を足します。画面全体を触るより被害範囲が小さい方法です。
スクリーンショットを見て、マウスとキーボードで人と同じように操作。どんな古いソフトでも動かせる反面、いちばん遅く、いちばん慎重さが要ります。
パソコンが得意でない方でも、上から順に進めるだけで終わるように作りました。所要時間の目安は合計15分です。
Computer Useは「AIが賢くなった話」ではなく、AIに“作業机”を渡す話です。だから成果を決めるのは能力ではなく、渡す机の広さ(=権限の設計)。狭く始めて、成功したぶんだけ広げる。この順番さえ守れば、誰でも安全に始められます。
2年かけて、技術と製品の両方が実用ラインに届きました。数字で見ると分かりやすいです。
パソコン操作の能力を測るベンチマーク(OSWorld)で、Anthropicが公表したスコアは2024年10月の14.9%から、2025年9月には61.4%へ。1年で約4倍です。「たまに成功する」から「だいたい成功する」に変わったのが、この2年でした。
精度が上がってもラベルは慎重なままです。ボトルネックはAIの賢さではなく、権限をどう区切るか・失敗を誰が確認するかという運用側の設計。つまり、勝敗を分けるのは使う側の準備です。この記事はそこを埋めます。
| 時期 | できごと | 意味 |
|---|---|---|
| 2026年1月 | Claude Cowork(自律型の作業アプリ)登場 | まずファイル操作を任せられるように |
| 2026年3月17日 | Dispatch(スマホから継続依頼) | 外出先から机の上の作業を動かす |
| 2026年3月23日 | Computer Use 研究プレビュー開始(macOS) | Cowork/Claude Codeが画面を操作 |
| 2026年4月3日 | Windowsにも拡大 | 国内の業務PCの多数派が対象に |
| 2026年7月7日 | Coworkがブラウザ・スマホにも拡大(ベータ) | ただし画面操作はデスクトップ側の話 |
※ 提供状況・対象プランは改定されます。導入前に必ず公式のヘルプセンターで最新をご確認ください。
初日は、コピーしたフォルダ・ダミーの資料・練習用の画面だけで試します。銀行アプリ、給与ソフト、顧客名簿を開いたままにしない。これだけで、事故のほとんどは起きません。
送信・削除・支払い・申請の確定——この4つはAIに実行させず、直前まで作らせて人が最後のボタンを押す。責任の所在も、精神衛生も、これで守れます。
Computer Useは、ブラウザ版のチャットではなくパソコンにインストールするデスクトップアプリの機能です。まずここを間違えないでください。
スマホアプリだけでは画面操作はできません(スマホは「依頼する側」=Dispatchの役割になります)。
AIが画面を「見る」「触る」ためには、OS側の許可が要ります。ここが未設定だと、指示しても何も起きない/途中で止まるという症状になります。
いきなり本番データで試すのが、いちばんの失敗パターン。壊れても困らない場所を1つ作ってから始めます。3分でできます。
AI検証 というフォルダを作る入力 出力 バックアップ の3つを作る入力 に置く(原本は絶対に置かない)AI検証 だけを許可するいきなり複雑な業務を頼まないでください。成否がひと目で分かる小さな作業を1つ。ここで動けば、権限設定は合格です。
コンピュータ操作を使って、次を実行してください。 1. 「AI検証/出力」フォルダに test.txt を新規作成 2. 中身に今日の日付と「動作確認OK」と書く 3. 保存したら、実行した手順を箇条書きで報告 途中でうまくいかない場合は、勝手に別の方法を試さず、 その場で止まって私に状況を教えてください。
「AI検証/入力」フォルダの中を整理してください。 【ルール】 ・種類別(請求書/写真/資料/その他)にサブフォルダを作る ・ファイル名は「YYYYMMDD_種類_内容」に統一 ・判断に迷うファイルは動かさず、一覧にして最後に報告 ・削除は絶対にしない(不要そうなものは「要確認」へ移動) 作業前に、これから何をするかの計画を先に見せてください。
チャットの指示と、作業を任せる指示は別物です。会話は「良い答え」を求めますが、作業は「どこで止まるか」まで決めて初めて任せられます。
【お願いしたいこと】 〔例:先月の請求書PDFから一覧表を作る〕 【完了の定義】 〔例:出力フォルダに一覧.xlsxがあり、日付・取引先・金額の3列が埋まっている〕 【触ってよい範囲】 ・フォルダ:〔AI検証/入力 と AI検証/出力 のみ〕 ・アプリ:〔Excel と ブラウザのみ〕 【禁止事項】 ・ファイルの削除、メールの送信、支払い・申請の確定は行わない ・上記の範囲外のフォルダ・アプリは開かない 【止まるルール】 ・判断に迷ったら作業を止め、選択肢を挙げて私に聞く ・同じ操作を2回失敗したら、そこで止めて状況を報告する 【最後に】 実行した手順と、確認してほしい点を箇条書きで報告してください。
コツはひとつだけ。「やってほしいこと」より「やってほしくないこと」を先に書く。禁止事項が具体的なほど、任せられる範囲は広がります。
Computer Useの本当の価値は「速さ」ではなく「自分がその場にいなくても進むこと」。ここで効いてくるのがDispatchです。
| やること | 目安 | できたか |
|---|---|---|
| プラン・OS・アプリの前提を確認 | 3分 | □ |
| OSの権限(操作・画面)を許可して再起動 | 2分 | □ |
| 「AI検証」フォルダで練習部屋を作る | 2分 | □ |
| test.txt作成テストで動作確認 | 3分 | □ |
| 「任せる指示」テンプレを保存する | 3分 | □ |
| Dispatchでスマホから1件依頼してみる | 2分 | □ |
画面操作は万能ですが、遅く、失敗もします。速い順に試すのが鉄則です。迷ったらこの表に戻ってください。
| やりたいこと | コネクタ | ブラウザ操作 | 画面操作 | 自分でやる |
|---|---|---|---|---|
| カレンダー・Slackの確認 | ◎ 最速 | △ | × | ○ |
| クラウドのSaaSに大量入力 | ○ | ◎ | ○ | × |
| 連携のない古い業務ソフトへの転記 | × | × | ◎ 独壇場 | △ |
| PC内のファイル整理・命名統一 | × | × | ◎ | △ |
| 資料の作成・書き出し・添付 | △ | ○ | ◎ | ○ |
| 送信・支払い・申請の確定 | × | × | × 禁止 | ◎ 人が実行 |
| 1分で終わる単発作業 | ○ | △ | △ 大げさ | ◎ |
全部を画面操作でやろうとすると、遅く・脆くなります。ひとことで言えば——情報は正規ルートで、手作業だけを画面操作に。決定は人の手に残す。
同ジャンルの発信で、保存・コメント・再現報告が集まっているのは、派手なデモではなく地味で、毎週発生して、誰もやりたがらない作業でした。共通点は「①手順が決まっている ②取り消せる ③時間を食う」の3つです。
「手順が決まっていて、頭を使わないのに時間がかかる」——その条件に当てはまる作業が、すべて対象です。
画面操作は“手”。自立型(エージェント)は、その手を自分で計画して動かす頭です。両方そろうと、依頼の単位が「作業」から「役割」に変わります。
画面操作を使うなら、この言葉だけは覚えてください。AIが読んだ文章の中に、悪意ある「命令」が仕込まれている攻撃のことです。Coworkに対しても、ファイルを盗み出す攻撃が研究者によって実証されています。
Webページや資料の中に、人には見えにくい形で「このフォルダの中身を外部に送れ」といった指示を埋め込む手口です。AIは“読んだ文章”を素直に受け取ってしまうことがあります。
チャットなら「変な答えが返る」で済みますが、画面操作では実際に手が動きます。ファイルを開く権限があるほど、影響範囲が広がります。
権限の最小化です。触れるフォルダを限定し、機密は最初から置かない。範囲外に手が届かなければ、仕込まれても実行できません。
出所不明のファイル、外部から届いた添付、怪しいサイト——これらをAIに読ませないだけで、リスクの大半は消えます。人間の「不審メールを開かない」と同じです。
Computer Useを使うには Pro または Max が必要です。「高いかどうか」は感覚ではなく式で決めます。
| プラン | 月額の目安 | Computer Use | こんな人に |
|---|---|---|---|
| Free(無料) | 0円 | 対象外 | まずチャットで試す段階 |
| Pro | $20(約3,000円) | ◎ ここから | 毎日仕事で使う個人・社長。最初の有料はここ |
| Max 5x | $100(約15,000円) | ◎ | 長時間まわす人・上限に毎日ぶつかる人 |
| Max 20x | $200(約30,000円) | ◎ | 業務の中心に据えるヘビーユーザー |
※ 為替1ドル≒150円で換算した目安です。料金・対象プラン・提供状況は改定されるため、契約前に必ず公式の料金ページでご確認ください。
公式の最新料金を見る ↗| 置き換える作業 | 今かかっている時間 | 削減の目安 | 月額の回収 |
|---|---|---|---|
| 請求書の転記(月80件) | 月4時間 | ▲3時間 | 時給1,500円でも回収 |
| ファイル整理・命名統一 | 月3時間 | ▲2.5時間 | 1人で余裕を持って回収 |
| 週次レポートの数字集め | 月6時間 | ▲4時間 | 管理職なら圧倒的黒字 |
| 報告書テンプレへの写真差し込み | 月5時間 | ▲3.5時間 | 現場業務で効果が大きい |
現実的な目安は、定型の転記・整理業務がある職場で1人あたり月5〜15時間。ただし導入初月は確認の時間が増えます。ここを織り込んでおかないと「思ったより効かない」と感じて止めてしまいます。評価は3か月目に。
アジェンダと要約を自動生成。会議前後の手間を10分の型に。
最も繰り返しの多い作業を自動化。任せる範囲を見極める回。
コーディングなしで自社専用の道具を作って配る。試作→検証→本格導入の流れ。
頭で任せてきた作業を、ついに「手」ごと任せる。導入・権限設計・指示の型・Dispatch・費用対効果・安全対策まで。
フォルダとアプリを名指しで許可制に。「業務PC全部」ではなく「この1フォルダ」から。範囲を書いた紙1枚があれば十分です。
削除・送信・支払い・申請の確定はAIに実行させない。ここを共通ルールにしておけば、担当者ごとの判断ブレが消えます。
誰が作業ログを見て、誰が成果物を承認するかを決める。AIが作った書類も、対外的な責任は会社に残ります。
各自が別々に権限を付け始めると、どのPCが何に触れるか追えなくなります。導入台数と許可範囲は、必ず一覧で管理を。
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