残り 15
Gemini実践シリーズ 第5回 | 所要15分

その調査、
あなたが待っている間に終わります。

Deep Researchは、あなたに代わって何十というサイトを読み、出典つきのレポートにまとめてくれる機能です。しかもGeminiなら、外の情報と自社の資料を1本のレポートに混ぜられます。ここが他にはない使い方です。

案内役はこの子、うごく君。つまずきやすいポイントを、先回りして教えます。
🏁 結論から言います

この15分を終えると、調べ物は
「自分で探す仕事」から「発注して検算する仕事」に変わります。

読むだけでは変わりません。でも、この記事の型を1回使うだけで、次のような差がその日のうちに出ます。

BEFORE / 今のあなた
  • 検索結果を上から順に開いて、半日が溶ける
  • 広告記事とまとめサイトばかりに当たる
  • 集めた情報が、結局まとまらないまま終わる
  • 「調べておいて」と言われた案件が、山積み
  • 外の情報と自社の数字が、頭の中で繋がらない
AFTER / 15分後のあなた
  • 依頼書を5分で書けば、あとは待つだけ
  • 出典が並ぶので、質のいい情報だけ拾える
  • 比較表と論点つきのレポートで返ってくる
  • 裏取り5分で、そのまま会議に出せる
  • 自社の実績と市場データが、1枚に統合される
📌 Geminiならではの部分:外部の調査結果と、ドライブにある自社の実績データを合流させられるのがGeminiの強みです。「市場はこう動いている、では自社はどうか」——ここまで1本で書けるのは、Googleとつながっているからこそ。STEP4で扱います。
うごく君より

おかえりなさい、うごく君です。第3回で「手元の資料を読ませる」、第4回で「返信を終わらせる」ことを覚えましたね。今回は外の世界を調べる番です。コツは1つ、AIに聞くのではなく、発注すること。この記事を上から15分やり切ると、次の状態になります。

  • 普通の質問とDeep Researchの使い分けが分かる
  • 質の高い結果が出る調査依頼書の型が手に入る
  • 走らせる前に調査計画を直す方法が分かる
  • 外部の情報と自社データを合流させられる
  • 裏取り5分のルーティンが身につく
  • レポートをそのまま配れる形に変えられる
30秒でわかる

Deep Researchって、
結局なにをしてくれるの?

やっていることは、優秀な部下に調べ物を頼んだときと同じ3工程です。

🗺️

1. 計画を立てる
= 何をどう調べるか

いきなり検索せず、まず調査の段取りを示してくれます。ここを直せるのがGeminiの特徴です。

🌐

2. 手分けして読む
= 大量のサイトを横断

数十のページを読み、必要なら追加で掘り下げます。人が半日かける部分です。

📊

3. レポートにする
= 出典つきでまとめる

比較表・論点・参照元つき。そのままドキュメントに書き出して配れます。

GEMINI MASTER | LESSON 05

第5回:Deep Research
― 出典つき調査レポートを、自動で作る ―

パソコンが得意でない方でも、上から順に進めるだけで終わるように作りました。所要時間の目安は合計15分です。

💡 最初にこれだけ

Deep Researchで結果が変わるのは、調べる前の5分です。「〇〇について調べて」で走らせると、教科書のような一般論が返ってきます。何を決めるための調査なのかを書いた瞬間、返ってくるのは"判断材料"に変わります。AIに聞くのではなく、発注してください

なぜ「頼み方」だけで、調査の質が変わるのか

AIの検索能力ではなく、依頼の設計で結果が決まります。

POINT 01

「調べる」には終わりがない。だから範囲を切る

調べ物が半日かかるのは、どこまで調べれば終わりか決めていないからです。人間でも同じ。「この判断ができれば終わり」と決めた瞬間に、必要な情報量は10分の1になります。Deep Researchでも、範囲を切らないと分厚くて読めないレポートが返ってきます。

POINT 02

情報は集まるほど良い、わけではない

50ページのレポートは、読まれません。実務で価値があるのは「A案とB案、どちらが自社に向くか」が3行で書かれたものです。だから出力形式まで指定します。集める作業ではなく、絞る作業——これが調査の本体です。

失敗しないための、たった2つのルール

RULE 01

数字は、必ず一次情報で確認する

AIが集めてくる数字には、まとめサイトが孫引きした古い数字が混ざります。市場規模、補助金の上限額、法令の要件——これらを使う前に、必ず出典元を開いてください。この記事のSTEP5は、そのための5分です。

RULE 02

「調べて」ではなく「決めるために調べて」

調査の目的は、レポートを作ることではなく判断することです。依頼書の1行目に必ず「何を決めたいのか」を書いてください。これがあるだけで、返ってくる情報の切り口がまったく変わります。

この記事のゴール:調べ方にも「3段階」がある

全部を今日やる必要はありません。まずレベル1、慣れたらレベル2。レベル3は仕組みにする段階です。

LEVEL 1 / 今日から

依頼書を書いて投げる

5点セットを埋めるだけ。これで調査の8割は片づきます。

STEP 1・2 で解説
LEVEL 2 / Geminiの本命

自社データと合流させる

外の情報と、ドライブの実績を1枚に。ここが意思決定に効きます。

STEP 3・4 で解説
LEVEL 3 / 仕組みにする

定点観測にする

同じ観点で毎月見る。変化に気づける体制ができます。

STEP 5・6 で解説
STEP1
CHOOSE / 所要2分
「いつ使うか」を、先に見極める

Deep Researchは時間がかかる機能です。何にでも使うと、かえって遅くなります。まず使いどころを覚えてください。

3つの調べ方の使い分け
調べたいこと使うものかかる時間出てくるもの
言葉の意味・簡単な事実通常のチャット数秒短い答え
比較・市場動向・制度の全体像Deep Research数分〜十数分出典つきレポート
自社の資料の中身ドライブ指定(第3回)数十秒資料に基づく答え
社内ルールに繰り返し聞くGemini Notebook(第11回)都度数秒出典つきの社内回答
Deep Researchが強いテーマ
🏢 競合・他社事例の調査 📈 市場動向・業界トレンド 🏛️ 補助金・助成金の制度比較 🛠️ 導入するツールの比較検討 ⚖️ 法改正の影響整理 🌏 進出先・出店候補の下調べ 💼 取引先の与信・事業内容
これまでの調べ物 検索して開く 60分 読んで選ぶ 90分 まとめる 60分 決める 30分 計4時間 Deep Researchを使うと 依頼書を書く 5分 待つ(別作業) 数分〜十数分 裏取り 5分 決める 30分 計40分
減るのは「探して読む」工程。裏取りと判断は、人の側に残ります
うごく君のひとことおすすめは朝いちで投げて、昼に受け取る使い方。待ち時間は別の仕事をしていればいいから、実質のコストはほぼゼロなんだ。「あとで調べよう」を全部これに変えてみて。
STEP2
BRIEF / 所要3分
調査依頼書を、5点セットで書く

この5点が埋まっていれば、返ってくるレポートの質は跳ね上がります。人に調べ物を頼むときに伝えるべきことと、まったく同じです。

依頼書の5点セット
1
何を決めるための調査か「導入する/しないを決めたい」。ここが1行あるだけで、切り口が判断寄りに変わります。
2
自分の状況(前提)業種・規模・地域・予算感。これが無いと、大企業向けの一般論が返ってきます。
3
調べる範囲と、除外するもの「国内のみ」「2025年以降」「個人向けは除く」。範囲を切らないと分厚くなるだけです。
4
優先すべき情報源官公庁・業界団体・企業の公式発表を優先、まとめサイトは除外、と明示します。
5
出力の形「比較表+論点3つ+A4見開き1枚」。読める長さを先に決めてしまいます。
📋 調査依頼書テンプレ(そのままコピー)
【決めたいこと】〔自社に◯◯を導入すべきか、来月の会議で決める〕
【前提】〔群馬県/従業員20名/建設業/予算は年間◯万円まで〕
【調べる範囲】〔国内事例のみ/2025年以降の情報/中小企業向け〕
【除外】〔まとめサイト・アフィリエイト記事・出典不明の統計〕
【優先する情報源】官公庁・業界団体・提供企業の公式発表・一次統計
【出力の形】
1. 選択肢の比較表(費用/導入期間/必要な人手/リスク)
2. 当社の前提に照らした推奨と、その理由
3. 反対意見・うまくいかなかった事例
4. 判断のために追加で確認すべきこと(3つまで)
全体でA4見開き1枚程度。すべての数字に出典と年月日を付けてください。
✕ もったいない依頼
「AI導入について調べて」
→ 教科書のような一般論。読んでも何も決まらない
◎ 効く依頼
「従業員20名の建設業がAI研修を導入すべきか決めたい。国内の中小企業事例のみ、費用と効果を比較表で、反対意見も併記」
→ そのまま会議に出せる資料になる
うごく君のひとこといちばん効くのは【除外】の欄。「まとめサイトは使わない」と書くだけで、レポートの信頼度がぐっと上がるよ。裏取りの手間も減るしね。
STEP3
PLAN / 所要2分
走らせる前に、調査計画を直す

Deep Researchは、いきなり調べ始めるのではなく先に調査の段取りを見せてくれます。ここを読み飛ばす人が多いのですが、実はいちばん安く修正できる場所です。走らせてから直すと、また十数分待つことになります。

計画を見るときの3つのチェック
  1. 自分の業種・規模が反映されているか:大企業前提になっていないか
  2. いちばん知りたい論点が入っているか:抜けていたら追加する
  3. 調べなくていいことが入っていないか:削るとレポートが読みやすくなる
📋 計画を直すときの一言
計画を次のとおり修正して進めてください。
・追加:〔補助金が使えるかどうかの観点〕
・削除:〔海外事例の調査〕
・重点:〔従業員50名以下の企業の実例を優先〕
その他はこのままで結構です。
⚠️ 画面表示は環境によって異なります
計画の表示や修正のしかたは、プラン・提供地域・アプリの版によって変わることがあります。計画が表示されない場合は、最初の依頼書に条件を全部書き込んでおくことで同じ効果が得られます。STEP2のテンプレを丁寧に書くほど、この工程は不要になります。
うごく君のひとことここ、人に仕事を頼むときとまったく同じだね。走り出す前に段取りを確認する。あとから「そうじゃなかった」と言うより、ずっと安く済むんだ。
STEP4
MIX / 所要3分 ★Gemini の本命
外の情報と、自社データを合流させる

ここがこの記事の山場であり、Geminiを使う最大の理由です。調査レポートは、それ単体では「よその話」で終わります。自社の数字と並べた瞬間に、意思決定資料に変わります

外の情報 相場・他社事例・制度 Deep Research 自社の情報 実績・原価・稼働率 Googleドライブ 意思決定資料 「相場はこう。当社はここ。  差が出ている理由はこれ」 そのまま会議に出せる1枚
他のAIには真似しにくい部分です。自社データがGoogleに乗っているほど強くなります
📋 外部調査 × 自社データの合流テンプレ
先ほどの調査結果と、ドライブの〔◯◯年度 実績データ/原価表〕を突き合わせてください。
1. 業界の平均・相場と、当社の数字を並べた比較表
2. 差が出ている項目と、その理由として考えられること(推測は推測と明記)
3. 差を埋めるために打てる手を、費用と難易度つきで3つ
4. 逆に、当社が業界より優れている点(強みとして使えるもの)
※外部の数字には出典を、自社の数字にはファイル名を必ず添えてください。
※両者の集計期間や定義が違う場合は、その点を先に指摘してください。
⚠️ 「比べられるものかどうか」を先に見る
外部統計と自社データは、集計期間・対象範囲・定義がズレていることがほとんどです。税込/税抜、年度/暦年、正社員のみ/パート込み。テンプレの最終行を必ず入れて、比較の前提が成立しているかを先に指摘させてください。ここを飛ばした比較は、社内で必ず突っ込まれます。
うごく君のひとこと4番の「当社が優れている点」を必ず入れてね。課題ばかり並ぶ資料は、会議の空気を悪くするだけで人が動かない。強みが1つ書いてあると、話が前に進むんだ。
STEP5
VERIFY / 所要3分
裏取り5分ルーティン

ここを省いた人から、失敗します。全部を確認するのは不可能なので、効率よく疑う順番を決めておきましょう。5分で済みます。

裏取りの順番(重要な順)
  1. 判断を左右する数字を1つ選び、出典元を開く:全部は無理。いちばん効く1つだけ
  2. その情報の日付を見る:制度も相場も、2年前の情報は別物です
  3. 出典が一次情報かを見る:官公庁・企業公式か、まとめサイトか
  4. 反対の意見を探させる:「この結論に反対する立場の主張は?」
  5. 存在しない出典が無いか確認:リンクが開けるかを1〜2本試す
出典の質を見分ける
信頼できる

官公庁・自治体の公表資料、業界団体の統計、企業の公式発表・IR資料、学術論文、法令そのもの。数字を使うなら、ここまで遡ってください。

参考になる

専門メディア、記名のある業界レポート、実名の導入事例。方向感の把握には十分ですが、数字の根拠としては弱いことがあります。

注意が必要

比較まとめサイト、アフィリエイト記事、出典の書かれていないランキング。順位や評価に、掲載料が影響している場合があります。

使わない

出典不明の統計、日付のない情報、匿名の掲示板。依頼書の【除外】欄に、あらかじめ書いておくのが確実です。

📋 AI自身に疑わせるテンプレ
このレポートを自己点検してください。
1. 出典が一次情報でない箇所はどこですか
2. 情報が2年以上前の箇所はどこですか
3. あなたが推測で補った箇所はどこですか
4. この結論に反対する立場の主張は、どのようなものですか
5. 私の前提(〔業種・規模〕)に当てはまらない可能性がある箇所はどこですか
該当がなければ「なし」と答えてください。無理に挙げないでください。
⚠️ 存在しない出典が混ざることがあります
生成AIは、もっともらしいリンクや資料名を作り出すことがあります。会議や社外に出す資料に載せる出典は、必ず開いて確認してください。とくに、補助金の要件・法令・金額の3つは、必ず公式ページで裏を取ってください。
うごく君のひとこと4番の「反対する立場の主張」は、必ず聞いてほしいな。調査って、無意識に自分の結論を補強する情報ばかり集めちゃうもの。ここを聞くだけで、会議での突っ込みにも先回りできるよ。
STEP6
OUTPUT / 所要2分
配れる形にして、定点観測へ

レポートを画面で読んで終わり、では 半分の価値しか出ません。配る・共有する・繰り返す——ここまでが1本の流れです。

受け取り方は4通り
  • Googleドキュメントに書き出す:そのまま会議資料に。共有もリンク1本で済みます
  • 相手別に短くする:「同じ内容を、社長向けに結論と数字だけ、300字で」
  • 音声で聞く:レポートを読み上げ形式にして、移動中に耳で確認する使い方もできます
  • Gemini Notebookに渡す:あとから何度でも出典つきで質問できる状態に(第11回)
📋 配布物に変えるテンプレ
このレポートを、次の3つの形に変えてください。
1. 会議用:Googleドキュメントに書き出し(比較表+論点+出典一覧)
2. 決裁者向け:結論・費用・リスクだけを300字で
3. 自分用:次に確認すべきことのチェックリスト(担当と期限つき)
3つで内容が食い違わないようにしてください。
定点観測にする(レベル3)

一度きりで終わらせず、同じ依頼書を毎月使うと、変化に気づける体制になります。依頼書は保存しておいてください。

📋 定点観測テンプレ(2回目以降)
前回〔◯月◯日〕に実施した調査と同じ条件で、最新の状況を調べてください。
そのうえで、次の点だけを報告してください。
1. 前回から変わったこと(数字・制度・登場した新しい選択肢)
2. 変わっていないこと(確認だけでよい項目)
3. 当社の判断を変えるべき要因があるか
変化がない場合は「変化なし」と明記してください。
うごく君のひとこと変化がなければ変化なしと書いて」の一行が大事。これが無いと、変わってないのに無理やり何か書いてくるんだ。定点観測は変化だけ見たいからね。

費用対効果を「時間」で見える化する

調査は1回あたりの時間が長いぶん、削減幅も大きくなります。中小企業の現場でよく見る目安です(テーマにより変動します)。

よくある調査これまでDeep Research活用後1件あたり
競合・他社事例の調査240分40分▲3.3時間
補助金・助成金の制度比較180分35分▲2.4時間
導入ツールの比較検討200分40分▲2.7時間
法改正の影響整理150分35分▲1.9時間
取引先・出店候補の下調べ120分25分▲1.6時間

📐 かんたんな損益分岐の出し方

月に調査2件× 1件あたり
約2.5時間の削減
月5時間
≒ 12,500円分

月額2,900円のプランなら、調査1件で回収できる計算です。ただしこの回の本当の価値は時間ではなく、これまで「時間が無いから調べなかった」ことを調べられるようになる点にあります。

⚠️ 数字を出すときの注意
上の「活用後」には、依頼書を書く5分と裏取りの5分を含めています。STEP5を省いた試算は、社内で必ず崩れます。含めても十分に速い——それが正直な結論です。

プロが見ている、初心者がやりがちな8つの落とし穴

研修の現場で、実際によく見る順に並べました。心当たりがあるものから直してください。

1️⃣「〇〇について調べて」で投げる

  • 教科書のような一般論しか返らない
  • 直し方:1行目に「何を決めたいか」を書く

2️⃣自社の前提を書いていない

  • 大企業向けの話が返ってきて使えない
  • 直し方:業種・規模・地域・予算を1行で

3️⃣出典を確認せずに会議に出す

  • 存在しない資料名が混ざることがある
  • 直し方:重要な数字1つは必ず開いて確認

4️⃣情報の日付を見ていない

  • 補助金も相場も、2年前とは別物
  • 直し方:「◯年以降の情報のみ」と範囲指定

5️⃣まとめサイトを除外していない

  • 順位や評価に掲載料が絡むことがある
  • 直し方:【除外】欄に明記する

6️⃣反対意見を聞いていない

  • 自分の結論を補強する情報ばかり集まる
  • 直し方:「反対する立場の主張は?」を毎回

7️⃣外部データと自社データを雑に比べる

  • 集計期間や定義がズレたまま比較してしまう
  • 直し方:前提が揃っているか先に指摘させる

8️⃣依頼書を保存していない

  • 毎回ゼロから書き、定点観測もできない
  • 直し方:STEP6。ドキュメント1本でいい

Deep Researchが効く、局面別の使いどころ

まずこの中から、「時間が無くて調べられていないこと」を1つ選んで投げてみてください。

🏗️建設・現場で

  • 資材価格の推移と、値上げ交渉の根拠づくり
  • 安全・法令の改正内容と、自社への影響整理
  • 新工法・新資材の導入事例と、費用対効果
  • 近隣エリアの元請け・発注動向の把握

🏪店舗・サービス業で

  • 出店候補エリアの商圏・競合状況の下調べ
  • 他社の価格改定の動きと、値上げの伝え方
  • 集客施策の他社事例と、費用の相場
  • 食材・仕入価格の相場推移

🧑‍💼事務・経営で

  • 使える補助金・助成金の洗い出しと比較
  • 導入するシステムの比較検討
  • 取引先の事業内容・信用情報の下調べ
  • 採用市場の相場(給与・待遇)の把握

ここに「自立型AI」が加わると、何が変わるか

Deep Researchは、すでに「頼めば自分で調べて回ってくる」タイプの機能です。ここに Gemini Spark のような自律型エージェントが加わると、頼まなくても、決まったタイミングで調べて置いておいてくれる段階になります。調査は、自動化との相性がとくに良い領域です。

🔭 いちばん大事な前提

自動化できるのは「調べる」ところまでです。判断は、最後まで人が持ちます。とくに調査は、集めた情報がそのまま経営判断に直結するため、出典の検算を人が飛ばした瞬間に、間違った前提で会社が動きます。STEP5を運用ルールとして残してください。

✅ 任せてよい調査 向いている
  • 毎月の資材価格・相場のチェック
  • 補助金の公募開始・要件変更の監視
  • 競合の新サービス・値下げの動向
  • 法改正情報の定期チェック
  • 採用市場の給与相場の定点観測
⛔ 任せてはいけない領域 要注意
  • 投資・融資・資金繰りの意思決定
  • 法令適合の最終判断(専門家へ)
  • 取引先の与信判断そのもの
  • 調査結果の社外公表(検算なしで)
  • 個人の経歴・信用に関する調査
うごく君のひとこと自動化の入口は「毎月チェックしたいのに、忙しくて見られていないもの」を1つ選ぶこと。補助金の公募情報とか、資材の相場とかね。第9回でこの続きをやるよ。

つまずいたときのチェックリスト

レポートが分厚すぎて、読む気にならない
出力の形を指定していないのが原因です。依頼書に「A4見開き1枚程度」「比較表+論点3つ」のように、読める長さと構成を先に書いてください。出てきた後からでも「これを300字に圧縮して、結論と数字だけ残して」と頼めば大丈夫です。
一般論ばかりで、自社の役に立たない
前提(業種・規模・地域・予算)が抜けています。「従業員20名の建設業」と1行入れるだけで、返ってくる事例の粒度がまるで変わります。あわせて「中小企業の事例のみ」と範囲を切ると、さらに実用的になります。
出典のリンクが開けない/存在しない資料だった
生成AIには、もっともらしい資料名を作ってしまう性質があります。だからSTEP5があります。社外や会議に出す資料の出典は、必ず開いて確認してください。開けなかった出典については「このリンクが確認できません。別の一次情報で裏付けを」と指示すると、探し直してくれます。
時間がかかりすぎる/途中で止まったように見える
Deep Researchは数分〜十数分かかる機能です。画面を閉じても処理は続くことが多いので、いったん別の作業に移ってください。範囲が広すぎると時間が延びるので、対象を絞る(国内のみ、期間を限定)と安定します。
自社データとの比較で、数字が噛み合わない
集計期間・対象範囲・定義がズレているのが典型です。税込/税抜、年度/暦年、正社員のみ/パート込み。STEP4のテンプレ最終行「両者の集計期間や定義が違う場合は先に指摘して」を必ず入れてください。噛み合わない比較は、社内で必ず突っ込まれます。

安全に、かしこく使うために

1数字は一次情報で確認

補助金の要件・法令・金額・統計。この4つは、必ず公式ページまで遡ってください。孫引きされた古い数字が混ざります。

2個人に関する調査には使わない

特定の個人の経歴・信用・私生活を調べる用途には使わないでください。法人としての情報収集と、個人の詮索は別物です。

3調査依頼に機密を書かない

依頼書に自社の未公開情報を書く場合は、社内ルールを確認してください。前提は「群馬県の建設業」程度の粒度でも十分に効きます。

4結論の責任は人が持つ

レポートは判断材料であって、判断そのものではありません。とくに法令・税務・契約に関わる結論は、必ず専門家に確認してください。

よくある質問

無料プランでも使えますか?
Deep Researchのような重い機能は、利用回数や使えるモデルにプランごとの差があります。まず無料の範囲で試し、上限に当たる頻度を見てから判断するのが合理的です。調査業務が多い方ほど、有料プランの費用対効果は高くなります。
どのくらい正確ですか?
情報の方向感はかなり信頼できますが、個別の数字は必ず確認が必要です。「業界全体としては値上げ傾向」は信じてよく、「平均単価は◯◯円」は確認が要る——この線引きで使ってください。だからこの記事では、裏取りに3分を割いています。
ChatGPTやClaudeのDeep Researchとの違いは?
調査そのものの品質は、どれも高い水準です。Geminiの差は自社データとの合流にあります。ドライブやスプレッドシートの実績を、調査結果と同じ会話の中で突き合わせられる。この一点で、意思決定資料を作る速度が変わります。第2回でも触れた「材料の渡し方」の差が、ここでも効いてきます。
調べた内容が、社外に漏れることはありませんか?
扱いはプランと契約形態によって異なります。Google Workspace(法人契約)では、入力内容が学習に使われない扱いが標準です。ただし、そもそも依頼書に機密を書かなくても十分な結果は出ます。前提は「群馬県の建設業・従業員20名」程度の粒度で構いません。
研修として社内に導入する場合、助成金は使えますか?
人材開発支援助成金など、要件を満たせば活用を検討できる制度があります。ただし対象コース・訓練時間・申請時期などの要件は毎年更新されるため、必ず最新の公募要領と、管轄の労働局へのご確認をお願いします。UGOKU AIでは、要件の整理からご相談いただけます。

理解度チェック(3問・1分)

読んだだけだと、たいてい3日で忘れます。3問だけ答えて、記憶に固定してから閉じてください。

🧠 3問クイズ

選ぶだけ。すぐに答えと解説が出ます。

1Deep Researchの結果を決めるのは、どこ?
正解:調べる前に書く依頼書。とくに1行目の「何を決めるための調査か」で、返ってくるものが一般論から判断材料に変わります。AIに聞くのではなく、発注してください。
2レポートの数字を会議資料に載せる前に、必ずやることは?
正解:出典元を開いて確認する。生成AIは、もっともらしい資料名を作ることがあります。全部は無理でもいちばん効く1つは必ず。とくに補助金の要件・法令・金額の3つは要注意です。
3Geminiで調査するとき、他のAIにはない使い方はどれ?
正解:自社データとの突き合わせ。「相場はこう、当社はここ、差の理由はこれ」——ここまで1本で書けると、レポートが意思決定資料に変わります。ただし集計期間や定義のズレは、先に指摘させること。

このシリーズの進み方(全15回+番外編)

1回あたり10〜15分、上から順に積み上がる設計です。整える→頼む→読ませる→書かせる→調べる→作る→任せる→広げるの順で進みます。

テーマこの回で手に入るもの時間
第1回Geminiの基礎Googleとつながったワークスペース15分
第2回伝わる頼み方材料を名指しするプロンプトの型10分
第3回ドライブ横断の資料分析探さずに、まとめて要点化する15分
第4回Gmail連携のメール術受信トレイを離れずに返信を終える10分
第5回Deep Research(この記事)出典つき調査レポートと、裏取りの手順15分
第6回スプレッドシート分析関数を書かずに集計・グラフ化10分
第7回画像・動画の制作POP・バナー・短尺動画の内製化15分
第8回会議の準備と議事録カレンダー連携と、録音→決定事項10分
第9回タスク自動化定型処理を書かせて消す15分
第10回Canvas会話ではなく“編集画面”で仕上げる10分
第11回Gemini Notebook自社資料だけで答える社内辞書15分
第12回Gemの量産役割ごとのAI担当者を並べる10分
第13回Workspace展開チーム全員の標準にする設定と権限15分
第14回高度なプロンプト自分で考えさせる指示の組み立て10分
第15回フルワークフロー1〜14をつないだ完全AI自動化システム15分
番外編総括/セキュリティ情報漏洩・コンプライアンス・社内規程の型15分
COMPLETE

最後まで読んでくれて、ありがとう。

上のチェックを埋めていくと、進み具合がここに出ます。全部でなくて大丈夫。1つでも実際にやった人から、確実に変わっていきます。

0 / 6 ステップ完了
🎓 第5回の宿題

この記事を閉じる前に、「時間が無くて調べられていないこと」を1つ選んで、依頼書を書いて投げてみてください。それだけで第5回は合格です。結果が返ってきたら、必ず裏取り5分を。次の第6回では、「関数を書かずに、スプレッドシートを集計・グラフ化する」 データ分析を扱います(所要10分)。

無料AI化診断

調べる時間は減らせる。
次は、あなたの会社の判断を速くしませんか?

「どの業務から任せればいいか分からない」で止まっている方へ。まずは無料のAI化診断から。Googleフォームで数分、あなたの会社に合うAIの使いどころが見えてきます。

所要時間は数分です。スマホからそのまま回答できます。