ソフトバンク孫正義・DeNA南場智子・サイバーエージェント藤田晋・GMO熊谷正寿。すごい人たちの使い方を、初心者でも今日マネできる形に翻訳しました。仕事も、私生活も。
案内役はこの子、うごく君。「むずかしい経営の話」は、ぜんぶ普段の言葉に直して教えます。「トップ経営者のAI活用」と聞くと、遠い世界の話に感じるかもしれません。でも中身をほどくと、今日あなたのスマホでできることばかり。この記事を読み終えると——
全員、日本を代表する経営者。そして全員、AIの「ヘビーユーザー」です。使い方のクセがそれぞれ違います。
AIを「議論の相手」にする人。毎日ヘビーに壁打ち・ディベート。
「AIオールイン」で仕事の形ごと組み替える人。AIを"同僚"に。
トップの号令で「全員が学ぶ」空気を作る人。会社ぐるみで底上げ。
自らAIでアプリを自作、声で使う人。全社で膨大な時間を捻出。
もう「一部の詳しい人だけ」の話ではありません。検索でAIを使う人は全世代で急拡大し、大企業では働き方そのものが変わり始めています。GMO・熊谷さんは、生成AIを「使いこなす人と使わない人の差を広げるツール」だと繰り返し警鐘を鳴らしています。
ここから、4人の実際の使い方を10の「活用術」に整理します。むずかしい言葉は使いません。各項目、①どんな技か → ②仕事での使い方 → ③私生活での使い方 → ④AIが加わると何が変わるか → ⑤注意点の順で、上から読むだけでOKです。
孫さんはAIを"検索"ではなく「語り合いのパートナー」「アイデアの壁打ち相手」として毎日ヘビーに使うと公言。株主総会では「部下と議論するより面白い」と語り、会場を沸かせました。答えを聞くのではなく、自分の考えをぶつけて、揉んでもらう使い方です。
これまで「相談できる相手が近くにいない」が当たり前でした。AIなら24時間・何度でも・タダで相手になり、しかも反論までしてくれる。一人の思い込みに気づけるのが、いちばんの価値です。
あなたは経験豊富な相談相手です。私の考えに、 賛成ではなく「厳しめの視点」で反論・質問してください。 私が見落としている点を3つ指摘し、最後に改善案をください。 【私の考え】 〔ここに、いま迷っていることを書く〕
孫さんの応用ワザ。AIの中に性格の違う専門家A・B・Cを作り、その3人に討論させて、自分は審判役で時々ツッコミを入れる——という使い方を明かしています。一つのテーマを、いろんな角度から一気に見られます。
一人だと、どうしても自分に都合のいい意見だけが浮かびます。AIに反対役を任せると、イヤでも反対意見が出てくる。決めた後に「そんなの聞いてない」を防げます。
次のテーマについて、3人の登場人物に討論させてください。
・楽観派(攻めたい人)
・慎重派(リスクを気にする人)
・現場派(実務のリアルを知る人)
3人が意見をぶつけたあと、私に判断を求めてください。
【テーマ】〔ここに迷っていることを1つ〕
DeNAは2025年に「AIオールイン」を宣言。ポイントは、今のやり方にAIを"ちょい足し"するのではなく、作業そのものをAI前提で作り直すこと。配信審査など一部の業務で6〜9割の削減を実現したと説明しています。
ただの"時短"の先へ進めます。仕事の形そのものが変わり、空いた時間を新しいことに回せる。DeNAはこの浮いた力を新規事業に振り向けています。個人なら、その時間を家族や学びに。
DeNAは社員のAI活用レベルを5段階で測る「DARS」という物差しを運用。レベル1は「一度は試した」、最上位のレベル5は「AIを軸に新しい戦略を立てられる」。今どこにいるかが分かると、次の一歩が決まります。
「なんとなく使えてない」から卒業できます。人ごとに"次の課題"が見えるので、教育や声かけが具体的になり、チーム全体が動き出します。
DeNAでは、紙の企画書で会議を重ねるより、AIですぐ試作(デモ・見本)を作って見せる文化へ移行。実物を見せると認識のズレが減り、決定が速くなります。
「言った/言わない」が消えます。完成イメージを先に見せられるので、相手も判断しやすく、やり直しが激減。今まで数日かかった"たたき台"が数分に。
南場さんは社内でAIエージェント「デモン君」をSlack上で"同僚"として使い、毎朝のようにやり取りしていると語ります。GMOも「AI 熊谷正寿」という相棒AIを整備。用があるときだけでなく、毎日となりにいる感覚で使うのがコツです。
「頼める相手が常にいる」状態になります。一人で抱え込むクセが減り、抜け漏れも減る。忙しい人ほど、"優秀なアシスタントが一人増える"効果は大きいです。
サイバーエージェントは「生成AI徹底理解リスキリング」を全社展開し、トップ・藤田さんの号令で"学ぶのが当たり前"の空気を作りました。GMOも非エンジニア向けの短期育成プログラム「虎の穴」を実施。個人技を、組織の力に変える発想です。
一人の「便利」が、全員の「便利」になります。誰か一人が休んでも回る、属人化しないチームに。学ぶ文化そのものが、これからの一番の資産です。
GMOはオフィス全席に高機能マイクを置く「プロジェクト・ウィスパー」を推進し、8,300人が"声でAIを使う"環境へ。熊谷さん自身も、開発の際に「キーボードもほぼ使っていない」と語ります。打つのが苦手な人ほど、恩恵が大きい使い方です。
「文字を打つ」ハードルが消えます。スマホに話しかけるだけで下書きが出来るので、パソコンが苦手な人・忙しい人でも一気に使えるように。スマホの音声入力ボタンから今日試せます。
熊谷さんはAI(Claude Code)で自分の課題を解決するアプリを自作し、2ヶ月で10万行を書いたと明かします。「コーディングはもう人間だけの仕事ではない」と宣言。専門家でなくても、AIに"道具"を作ってもらえる時代になりました(いわゆる"バイブコーディング")。
「エンジニアがいないから無理」が消えます。話すだけで、自分専用の小さな道具が手に入る。毎日15分かかっていた作業が"ボタン一つ"になる——そんな小さな革命を、誰でも起こせます。
GMOは、効くプロンプトやAIの使い方を貯めて共有するポータル「GMO Genius」を運用。個人の"効く使い方"を全社に広げた結果、一人あたり月53.9時間もの時間を捻出しています。良い使い方は、独り占めせず横に広げるほど効きます。
一度見つけた"正解"を、みんなで何度でも使えるように。毎回ゼロから考える時間が消えます。「良い使い方の貯金箱」を作るイメージ。貯まるほど、チーム全体が速くなります。
「まず何から?」に迷ったら、右端の列から。上ほど、初心者がすぐ始めやすい順です。
| 活用術 | 誰に学ぶ | ひとことで | まず何から |
|---|---|---|---|
| 01 壁打ち | 孫 正義 | 議論の相手にする | 迷いを1つ、ぶつけてみる |
| 02 多役ディベート | 孫 正義 | 3人に討論させる | 賛成・反対・現場で戦わせる |
| 03 AI前提で組替 | 南場 智子 | 作業ごと作り直す | 一番面倒な1作業を見直す |
| 04 レベル見える化 | 南場 智子 | 現在地を5段階で測る | 「まず全員一度触る」を目標に |
| 05 プロトタイプ先出し | 南場 智子 | 動く見本を見せる | 提案の"見本"を1枚作る |
| 06 AIを同僚に | 南場・熊谷 | 毎日となりで使う | 毎朝「今日やること整理して」 |
| 07 全員で学ぶ | 藤田・熊谷 | 学ぶ空気を作る | 朝礼で使い方を1つ共有 |
| 08 声で使う | 熊谷 正寿 | 話しかけて使う | スマホの音声入力で試す |
| 09 自分で自動化 | 熊谷 正寿 | 面倒を道具にする | 小さな1作業を頼む |
| 10 みんなで共有 | 熊谷・藤田 | 効く型を横に広げる | 「効いたお願い」を貯める |
使い方はバラバラでも、うまい人のお願い(プロンプト)には共通点があります。次の4つを足すだけで、結果が一段よくなります。
あなたは〔立場・役割〕です。 〔だれ〕向けに、〔してほしいこと〕を、 〔形式:箇条書き/表/字数/見本〕・〔トーン〕で作ってください。 【材料】 〔元になる情報を貼り付け〕
お客様の個人情報・カード番号・社外秘は、AIに入力しないのが基本。共有するのは「型」だけにしましょう。
AIはもっともらしく間違えます(ハルシネーション)。数字・名前・法律・日付は必ず自分で確認を。
いきなり全部を変えない。一番面倒な1作業から。うまくいったら次、と小さく広げるのが失敗しないコツ。
AIは相談相手であり下書き役。判断と最終チェックは人が行う——これは、どの経営者も共通して言っています。
トップ経営者の使い方を「自社に落とし込む」のは、最初の一歩がいちばん難しいところ。まずは無料のAI化診断から。Googleフォームで数分、あなたの会社に合うAIの使いどころが見えてきます。